多文化共生社会へ向けた活動を展開
海外でのボランティアや国際協力の経験を生かして社会に還元できることを―。「和歌山青年海外協力協会(WOCA)」会員の庄田実里さんと中嶋悦子さん(写真)が中心となり、県内に住む外国人と地域の人が出会い、つながったり、情報交換したりできる場を増やそうと、9月から本格的に活動をスタートさせます。
WOCAは、JICA青年海外協力隊のOBや国際交流に興味がある人などでつくる団体。庄田さんは中央アジアのキルギス、中嶋さんは南アジアのネパールでそれぞれ協力隊として女性の自立支援のための活動を行いました。そこで二人は海外で初めて日本人というマイノリティー(少数者)の立場を経験。中嶋さんは、「今でも心に残っているのは、地域の人とのつながりです。お茶を飲みながら話をしたことや、困っているときに助けてもらったことなど、いい思い出ばかり」と振り返り。庄田さんは「身近に暮らす人たちとつながることで、一人じゃない、と思えるようになりました。そのときの感謝の気持ちを、何らかのかたちで和歌山に住む外国人にお返しを」と話します。
その思いは行政や地域住民、和歌山県国際交流協会などにも伝わり、協力を得ることに。9月11日(日)午前10時~午後3時、打田生涯学習センター(紀の川市西大井)で、交流イベント「ゼロ円マーケットin紀の川市」が開かれます。
当日は、在住外国人を対象に日用品や食べ物などが無料でもらえるマーケットの他、会場に生活の悩みを相談できるブースなどを設置。地域の行政サービスや防災についての情報提供も行われます。
県内に住む外国人は7322人(出典=法務省の在留外国人統計、2021年6月末現在)。庄田さんは「県内各地に当協会の会員がいるので、活動のベースができれば、各地域へ輪を広げていくことができます。在住外国人と地域住民とがつながれる場を増やすことで、多文化共生社会実現の一助になれば」と力を込めます。その上で、中嶋さんは「このイベントが在住外国人がより暮らしやすくなるきっかけになることを願って。身近に外国の人がいたら、この活動のことを伝えてもらえればうれしいです」と話しています。
入場無料。
イベントの問い合わせはこちら
県青年海外協力協会(県国際交流センター内) | 073(435)5240 |
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メール | woca.wakayama@gmail.com |
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