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文化財 仏像のよこがお
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−第29回−文化財 仏像のよこがお「伝後鳥羽上皇像の本来の像主」
歓喜寺僧形倚像 高積山(たかつみやま)の麓、熊野古道に面して建つ和歌山市和佐の歓喜寺は、かつて熊野参詣者への接待所(湯茶や宿の提供)として機能していたことが分かる、熊野信仰研究の上で重要な寺院です。 この歓喜寺の本堂に、… -
−第28回−文化財 仏像のよこがお「和歌祭の仮面に仏の顔を見る」
和歌祭(わかまつり)は、徳川家康(東照大権現)の命日(旧暦4月17日)に行われる紀州東照宮の例祭で、今年は5月15日に催行が予定されています。 和歌祭の特徴は、みこし渡御の際にさまざまに仮装した練物(ねりもの)が多数… -
−第27回−文化財 仏像のよこがお「取り戻された等身大の観音像」
西山観音堂・十一面観音立像 紀の川市貴志川町西山地区の産土(うぶすな)社、丹生(たんじょう)神社に隣接して西山観音堂が建っています。江戸時代まで丹生神社の管理に携わっていた普門寺の唯一残った建物で、像高182cmの大きな… -
−第26回−文化財 仏像のよこがお「移動してなお地域に留まる仏像」
かつて阿弖河荘(あてがわのしょう)と呼ばれた荘園の西端付近、有田川町楠本の法福寺には、32体もの平安時代の仏像が伝わってきました。現在、仏像の一部は和歌山県立博物館に寄託されていますが、今も阿弥陀如来と二十五菩薩が極楽… -
−第25回−文化財 仏像のよこがお「社殿の床下に隠された仏像」
海南市大野中の県立海南高校裏の小高い丘に鎮座する春日神社は、古くは大野郷八か村の鎮守社でした。“大野十番頭”と呼ばれる地域の有力者たちによる護持の体制が、中世以来、現在まで引き継がれてきた歴史ある神社です。 2007(… -
−第24回−文化財 仏像のよこがお「阿弥陀如来から薬師如来に変身した仏像」
大泰寺 阿弥陀如来坐像 那智勝浦町下和田の大泰寺は、伝教大師最澄の開山と伝わる古い寺です。信仰の中心となる薬師堂には、本尊として1156(保元元)年に造像された阿弥陀如来坐(ざ)像(重要文化財)が安置されています。像高1… -
−第23回−文化財 仏像のよこがお「鞘仏(さやぼとけ)に納められた飛鳥仏」
串柿の里として有名な和泉山脈の山懐、かつらぎ町広口・滝・東谷・平の四つの集落は「四郷」と呼ばれ、このうち滝の極楽寺には、和歌山県最古の金銅仏が伝わっています。 物思いにふけるように頬に指を添え、円筒状の榻座(とうざ)に片… -
−第22回−文化財 仏像のよこがお「あらぎ島を見守る真鍮製の仏像」
有田川町清水のあらぎ島は有田川上流にあり、舌状の河岸段丘(川に向かって階段状になっている地形)に耕された美しい棚田の景観で知られ、国の重要文化的景観に選定されています。 この棚田は、1655(明暦元)年に大庄屋の笠松左太… -
−第21回−文化財 仏像のよこがお「融合する神と仏」
過疎化・高齢化が進む集落を中心に、盗難被害防止のために、博物館で寺の仏像を保管する事例が増えています。九度山町丹生川青渕の深い山中にある平見観音堂でも、管理する地区住民と同町教育委員会が相談して本尊像の博物館への寄託を決… -
−第20回−文化財 仏像のよこがお「中世大崎港の面影を伝える仏像」
宝冠釈迦如来坐像(大崎観音堂蔵) 海南市下津町大崎地区は、『万葉集』に「大崎の神の小浜は狭けども百舟人も過ぐと言はなくに」(石上乙麻呂)とうたわれます。大崎の浜は狭いがたくさんの船が立ち寄る、とあるように、古くから風待ち…