生産者と食品スーパーをつなぐインフラシステム構築
農業を持続可能な産業へ
革新的で潜在成長力の高い事業や、地域活性化に貢献する事業を行っている経営者を表彰する「ジャパン・ベンチャー・アワード(JVA)2016」。最高位の経済産業大臣賞に、農産物の流通販売事業などを手掛ける「農業総合研究所」(和歌山市黒田)代表取締役・CEOの及川智正さんが輝きました。県内企業の受賞は他賞を含め初めて。
IT(情報技術)を活用し、生産者と都市部の食品スーパーを直接つなぐインフラシステムを提供。持続可能な産業へとつなげる事業の構築が評価されました。
及川さんは、自身も農業の生産現場を経験。生産者不足や耕作放棄地など、社会が直面している課題を肌で感じ、農業がビジネスとして成り立つ仕組みをつくり出そうと、平成19年に会社を設立しました。
同社が手掛けるのは、スーパーの野菜コーナーの一角に、農家の直売所を設けるというもので、仕組みはシンプル。同社に登録した生産者が、地域に設けられた集荷場に農産物を持ち込み、価格を決め、提携している出荷先(スーパー)を自由に選びます。店頭での販売情報は、生産者に伝えられ、その情報をもとに生産者は販売方法を考えます。
一般的に出荷してから卸売り市場を経由し、店頭に並ぶまでには3〜4日かかりますが、同社は原則1日。現在、約5200人の生産者が登録、55府県・約580店舗で取り引きされています。
及川さんは「もうからないと言われている農業を付加価値のある産業へ。システムをさらに整備し、生産者が使いやすい環境をつくっていきたいです」と話しています。
問い合わせ | 農業総合研究所 |
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電話 | 073(497)7077 |
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