日本のロック界を代表するアーティストに昇り詰め、和歌山出身の有名人の中でも、“超メジャー級”のHYDE。2018年は、ソロ活動でさらなる飛躍を遂げ、大みそかには「YOSHIKI feat. HYDE」で、「第69回NHK紅白歌合戦」に出場。年明け早々には、地元で“リアルバースデーコンサート”も控えています。そんなHYDEに、2019年の抱負とともに、あまり知られていない和歌山に対する思いを直撃インタビューしました。
和歌山から日本、世界へ羽ばたくHYDE
意外と熱い地元愛を語る
現在、世界に向けて音楽を発信しているHYDE。1月23日(水)には、YOSHIKIがピアノ演奏を手掛けたニューシングルがリリース。29日(火)、30日(水)の誕生日とその翌日には、「和歌山ビッグホエール」でアコースティックコンサート「黑(くろ)ミサBIRTHDAY(バースデー)」を開催します。詳しくは、ページ下部を確認ください。
和歌山でのバースデーコンサートは
自身とファンの思いが重なって
和歌山でのコンサートは、L’Arc-en-Cielの2007年以来。今回の「黑(くろ)ミサBIRTHDAY(バースデー)」を和歌山で開催することになったいきさつを教えてください
「ビッグホエール」でいつかやりたいなと昔から思っていて、タイミングをうかがっていたんです。僕が和歌山を離れてしばらくしてからできたんですけど、できたと聞いたときは、『和歌山にこんなでかいの作ってどうすんの?』って正直思いました。ライヴって大都市で大きいのをやって、地方は小さいところを回ることがほとんどなので、自分でも難しいんだろうなと。でも、誕生日に、「黑ミサ」という人気のあるコンテンツが組み合わされば、「ビッグホエール」でもできるんじゃないかと思って、企画をスタートさせました。
2014年から冬季に北海道・富良野で開催してきた「黑ミサ」。少々独特なようですが…
北海道・富良野でファンクラブイベントとして、ディナーショーをやっていたんです。もともと僕は、パフォーマンス重視のボーカリストで、あまり歌の練習をしなかったんです。それこそ、テレビの音楽番組なんかは新曲を歌うわけで、ライヴでもまだやっていないから、ほとんど歌ったことがない状況なんですけど、特に練習もしないでほぼぶっつけ本番で出演したりしていました。だから、テレビで歌っているHYDEってあんまり上手じゃないなと思っている人も結構いるんじゃないかな。でも、「黑ミサ」をやるようになって、パフォーマンスありきではなく歌だけでも真面目にやれば、人を感動させられるんだなと改めて気が付いて、特にアコースティック形式のコンサートだとパフォーマンスよりも歌に比重を置くようになってきました。まぁ、今でもハードなライヴではパフォーマンス重視なんですけど。
和歌山での「黑ミサBIRTHDAY」はどんなコンサートになりますか
オーケストラをバックに歌い上げる感じなので、皆さんにはラフすぎない服装で座ってしっとりと聴いてもらえればと思います。本来「黑ミサ」は、冬の音楽をメインにやるんですけど、今回は僕の誕生日ということで、L’Arc-en-Ciel、VAMPS、ソロを問わず、これまで作ってきた楽曲の中で、自分の気に入っている曲をやろうと思っています。基本的には歌だけを聴いてもらえたらいいと思っているので、特別な演出はあまり考えていません。サービス映像くらいはつける予定ですけど。グッズにしても和歌山ならではのものをと思っていて、そんな企画をスタッフと一緒に考えているのがすごく楽しいです。
「黑ミサBIRTHDAY」は和歌山の前に千葉・幕張メッセでも開催。しかし、誕生日当日と翌日は和歌山で、バースデーイブのファンクラブ限定のイベントも地元で実施。特別な思いはありますか
自分の節目の年というのもありつつ、大規模な「黑ミサ」は、あまり回数をやるつもりはなくて、このタイミングを逃すと、多分、和歌山でやるタイミングがなくなっちゃうので、親戚や友達、自分を育ててくれた人たちに、ここまで歌えるようになりましたというのを見てもらいたいなと。それと、ありがたいことにファンの皆さんも、僕の地元の和歌山で観ることを望んでくれていて…。ファンの気持ちでもあるし、僕の思いでもあるし、それが今すごく重なっている状態です。
今も仲良し地元の友達
ふとした瞬間に出る和歌山愛
プライベートで和歌山に帰ってきますか
もちろん。友達や親戚に会うために、たまに帰ってきています。子どものころからの友達だから、どんどんオッサンになって…(笑)、それでも今でも仲良しで。小学校のときの先生とも仲が良くて、その先生に和歌山で披露できるのがうれしくて、今回のコンサートにも誘っています。
和歌山を自慢するとするならば
やっぱり海かな。山も大好きでよく行ってたんですけど、自慢するとすれば美しい海。特に、白崎海岸はずっと通っていたところなんで、壮大な眺めが好きです。他には淡嶋神社とか、和歌山城に桜もよく見に行っていました。
HYDEさんにとって和歌山とは
僕と和歌山っていうのは、なんていうんですかね、離れられないというか、どこかでつながっているっていうか…。普段は全く和歌山のことを考えないんだけど、高校野球が始まったら、今年はどこが出るんやろう?って、応援するのは和歌山。あと、知り合った人が愛媛県出身っていうと「あー、こいつライバルやな」とか、梅酒を飲んでいる人を見ると「あっ、それ和歌山の」って思うとか、どこかで気にしているんですよね。まだ、本籍も和歌山だし、縁が切れるのが寂しいんでしょうね。
1月に新曲もリリース
〝日出づる国ジパング〟の世界観を表現
1月23日(水)にリリースされるニューシングル「ZIPANG」は、ピアノにYOSHIKIさんを迎えています。これまでとは少し印象が違うバラードです
今、僕は世界に向けて音楽を発信しているので、海外の人たちに日本のいいところを紹介したいなと思って。また、日本人にも日本の本来のステキな姿を忘れないでほしいなという思いもあって、日本らしい旋律のバラードで、メッセージを込めました。曲がピアノでできた時点で、YOSHIKIさんに弾いてもらえないかと坦々と狙っていて。タイミングをうかがって、お願いしました。
日本らしさというところで、「ZIPANG」のミュージックビデオは、京都の東寺で撮影されました
海外に発信することを意識しているので、日本の重要文化財だったり、世界遺産だったりをバックに歌うというのは、世界にアピールするのにすごく重要だと思ったので、随分前から交渉してきました。いっぱい規制もありますし、許可いただくのになかなか大変だったんですけど、無事、撮影できました。
今の日本の音楽についてどうお考えですか
日本の音楽は携帯電話と一緒で、よくも悪くもガラパゴス化ですね。独特な文化でビジュアル系とか、アイドルの文化とか、海外とはまったく違う独特な成長の仕方をしていて、それはアニメも一緒。その独特な文化が評価されているんだと思いますけど。ひょっとしたら(日本の音楽も)評価されるタイミングが来るのかもしれないですが、韓国勢とかはもっとグローバルなところで闘っているので、そういう意味では負けてしまっていると思います。ガラパゴスの部分より、もう少しグローバル化させる部分の比率が多くなればいいなと思います。
今後、海外に向けて挑戦したいことは
L’Arc-en-Cielとしては、米・ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでライヴをやったこともありますし、巨大なことはできるけれども、やっぱり海外ではカルトな存在だとは思うんです。L’Arc-en-Cielは、マディソン・スクエア・ガーデンでできるような存在であってほしいんですけど、それこそそれは、日本のコンテンツを向こうに持って行って成功した例ですよね。僕個人はそこじゃなくて、グローバルな音楽を作って、向こうの普通のロック好きな人たちが好きになってくれるような存在を目指してやっていきたいです。
激動の2018年を経て
2019年はさらなる飛躍の年に
2018年を振り返り、2019年はどのような年にしたいですか
ソロ活動を再開したので、結構激動の日々を過ごしました。でも、やってよかったなと思います。やらなかったら1年ずれてしまうんで。僕も、人生を逆算するような歳になってきて、1年1年がすごく重要で。もし、繰り越してしまっていたら、どんどん自分の関わる時間がなくなってしまうので、ちょっと無理してでも前に進めた感じです。大変なこともいっぱいありましたけど、2019年に向けてのステップアップというか、踏み台ができました。2019年はさらにジャンプする飛躍の年にしたので、日本以外でのライヴもたくさんやりたいと思っています。
最後に、いつまでたってもその美しいルックスの秘けつを教えてください
見られている職業っていうのは大きいとは思うんですけど…。僕、基本的には何もしないんですね。いわゆる化粧水とか乳液とか、何もしないことが秘けつなんじゃないかな。唯一塗るのはワセリン。それも、乾燥したときとかメイク前につけるくらいで。何もしないのが肌にはいいはず!
HYDE(ハイド)
1月29日生まれ、和歌山市出身。1994年7月にL’Arc-en-Ciel(ラルクアンシエル)のメンバーとしてメジャーデビューを果たし、数々のヒット曲を生み出す。2001年にソロ活動をスタート。さまざまな活動を経て2018年6月にソロ活動を再始動させ、シングル3枚をリリース、全33本におよぶ全国ツアーを開催
日時 |
2019年1月29日(火)開演午後7時6分(開場6時)
2019年1月30日(水)開演午後7時6分(開場6時)追加公演 |
会場 |
和歌山ビッグホエール
※ドレスコードの設定あり(スマートカジュアルの装いで来場)
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チケット |
料金 |
SS席3万240円
S席1万6200円
A席1万2960円
※全席指定(6歳未満入場不可、6歳以上要チケット |
一般発売 |
2019年1月12日(土) 午前10時 チケットぴあ、ローソンチケットなど |
問い合わせ |
キョードーインフォメーション
0570-200-888(午前10時〜午後6時) |
種類 |
初回限定盤A(CD+撮り下ろしコンセプトブック)3024円
初回限定盤B(CD+DVD)2160円
通常盤(CD)1296円 |
CD収録曲 |
1.ZIPANG(ピアノ演奏はX JAPAN・YOSHIKI)
2.ORDINARY WORLD(Duran Duranのカバー楽曲)
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コンセプトブック
収録内容 |
12ページ(EPサイズ) |
DVD収録内容 |
ZIPANG MV+ドキュメンタリー |
購入特典 |
VAMPROSE/クリアファイル
店舗およびWEB/スペシャルポスター(A2サイズ) |