借入限度額の優遇措置が延長
マイホームを取得するとき、多くの人が利用する住宅ローン。シリーズ5回目は、住宅税制の一つ、「住宅ローン減税」について、「アドバンス・フィナンシャルプランニング」(和歌山市十二番丁)の代表・秋山裕材(ひろき)さんが解説します。
住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用して家を取得した人の税負担を軽減する制度です。「住宅ローン年末残高の0・7%相当分が、新築住宅なら13年、中古住宅なら10年にわたり、所得税から控除されます」と、秋山さんは説明します。
2025年度の税制改正では、予定通り、住宅ローン減税は24年度と同様の内容で継続されることになりました。借入限度額も変わらず、新築の場合、25年中に入居すると、長期優良住宅などの認定住宅は4500万円、ZEH水準省エネ住宅が3500万円、省エネ基準適合住宅が3000万円。省エネ性の高いものほど上限額が高く、一方で、現行の省エネ基準を満たさないと控除の適用外となります。
子育て世帯への優遇措置も延長。「19歳未満の子がいる世帯や、夫婦のどちらかが40歳未満なら、認定住宅は5000万円、ZEH住宅が4500万円、省エネ基準適合住宅が4000万円と、限度額が引き上げられます」。住宅ローン減税を受けるには、「控除を受ける年の合計所得金額が2000万円以下」「住宅の床面積が50平方メートル以上(所得が1000万円以下なら、新築で40平方メートル以上に緩和)」などの要件を満たす必要があります。
また、初年度は自分で確定申告を行います。「入居した翌年の確定申告期間に手続きするのが一般的。会社員なら、2年目以降は勤務先の年末調整の手続きだけで済みます」。住宅ローン減税の注意点に、「繰り上げ返済で借入期間が10年未満になると、控除を打ち切られることも」と、秋山さん。「転勤などで住めなくなったり、人に貸したりすると、控除の対象外になります」とも話していました。

「戻ってきた還付金を、ローンの繰り上げ返済に充てるのもおすすめ」と話す、ファイナンシャルプランナーの秋山さん
関連キーワード