両ローンを一体化した金融商品もある
新築価格の高騰により、空き家や中古住宅のリフォームに関心が高まっています。シリーズ3回目は、「リフォームローン」をテーマに、その特徴や住宅ローンとの比較・併用について、「アドバンス・フィナンシャルプランニング」(和歌山市十二番丁)のファイナンシャルプランナー(FP)・垣由起さん(写真)に聞きました。
リフォーム費用の支払いに活用できるローンに、リフォームローンと、住宅ローンがあります。「リフォームローンは、家の増改築や修繕が融資の対象。住宅ローンは家の新築や購入を対象にしていますが、リフォームにも利用できます」と、垣さんは説明。「ただし、借入時の条件が、それぞれ異なっています」と付け加えます。
リフォームローンは、無担保型と有担保型があり、無担保型は抵当権の設定が不要。「審査が通りやすく、契約時の手数料など、諸費用が多くかかりません。一方、借入限度額が少なく、返済期間も短め。有担保型に比べて、金利も高めです」と、垣さん。
対照的に、住宅ローンは審査が厳しく、抵当権を担保にして借り入れる必要がありますが、借入限度額が大きく、返済期間も長めで、低金利が特徴。「大掛かりな改修で金額が大きいときは住宅ローン、小規模なものならリフォームローンを検討するのも一案です」
中古物件を購入し、同時にリフォームするなら、住宅ローンとリフォームローンをそれぞれ借りることになります。「また、リフォーム費用と住宅購入資金を合わせて借り入れできる『リフォーム一体型住宅ローン』という金融商品もあります」とも。こちらには住宅ローンの金利が適用され、借入期間も最長35年となり、住宅ローンとリフォームローンを別々に契約するよりも、低金利で借りられます。
垣さんは、「リフォームは要件を満たせば、減税が適用されるのも忘れずに」とも。「所得税の控除や固定資産税の減額、耐震リフォームなど性能向上に対する減税など、さまざまな種類があります。併用できるものと、できないものがあるので、確認してください」と話していました。

垣由起さん。CFP、1級FP。金融庁・日本銀行の「2017年度金融知識普及功績者」に選定
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