17年ぶりに変動型の金利が引き上げ
住宅資金の大半を占める住宅ローン。借入額の元金にプラスして利息分を払うので、金利や返済期間によって総返済額が変わります。シリーズ2回目は、これからローンを利用する人に向けて、「アドバンス・フィナンシャルプランニング」(和歌山市十二番丁)のファイナンシャルプランナー(FP)・垣由起さん(写真)が「金利タイプの選び方」を指南します。
住宅ローンの金利タイプには、「変動型」「固定型」「固定期間選択型」の3種類があります。「変動型は金利が半年ごと、返済額が5年ごとに見直されます。低金利でローンを組めますが、将来、金利が上昇したときに返済額が増えることを想定した資金計画が必要です」と、垣さんは話します。
実際に、大手銀行などで変動型金利が10月から17年ぶりに引き上げられ、9月と比べて0・15%上昇しています。
「ちなみに、変動型には、金利が上昇しても従来の返済額の125%を超えないというルールがあり、返済額が急に増えない仕組みになっています」と垣さん。「でも、それは返済額に占める利息額が大きくなるということで、元金が減るわけではありません」とも。
固定型は変動型より金利は高めですが、市場金利の影響を受けないため、借入時から完済まで、月々の返済額が変わらないので資金計画が立てやすい面があります。「金利が上がると家計に負担がかかりそうな人は、返済見通しができる固定型をおすすめします」と、アドバイス。「借りるときの金利がベースになるので、金融機関の金利優遇キャンペーンなどを利用して、返済額を低く固定するのも手。この場合、優遇金利の適用期間も確認してください」とも。
「固定期間選択型」は3年、5年、10年など金利が変わらない期間を選べ、固定期間終了後は変動型・固定型を選択できます。「こちらの変動金利には、125%ルールが適用されないのが一般的です」と垣さん。
家計を圧迫しないように、無理なく返済できるローン選びが肝心。金利タイプの比較で悩んだら、中立的な立場で返済計画をアドバイスするFPに相談するのもよさそうですね。
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