早く実行するほど効果は高く
独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)会社「アドバンス・コミュニケーションズ」(和歌山市十二番丁)の協力を得て、シリーズで届けている「住まいにまつわるお金の基礎知識」。6回目は、住宅ローンの繰り上げ返済のお話です。引き続きアドバイザーは、FPの垣由起さんです。
「前回、『“家”から戻ってきたお金は、“家”に返しましょうね』とお伝えしましたが、私は、住宅取得後10年間(今年10月~来年12月の入居者は13年間)受けられる住宅ローン控除は、住宅ローンの繰り上げ返済に充てることをおすすめしています」と垣さん。
晩婚化が進む昨今、国土交通省の「平成30年度住宅市場動向調査」によると、初めて注文住宅を取得する世帯主の平均年齢は40.4歳で年々上がってきています。30年、35年ローンを組むと、何もしなければ完済は70歳、75歳…。「そのうち定年が65歳に引き上げられたとしても、退職金をローンの返済に充てるのは避けたいところ。“老後資金は2000万円必要”という金融庁審議会の報告書が話題になりましたが、老後にお金を残すためにも、ローンは定年までに完済するのが望ましい」というのが垣さんの考え方です。
繰り上げ返済は、月々の返済額を変更せずに期間を短縮する「期間短縮型」と、返済期間を変更せずに毎月の返済額を軽減する「返済額軽減型」がありますが、毎月の返済とは別にローン元金の一部を返すことで、利息が減り、返済総額が軽減される仕組みはどちらも同じ。「早い時期に行うほどその効果は高まります」と垣さんは言います。
そして、こうアドバイスします。「今は、インターネットバンキングを利用することで手数料がかからず、少額から元金返済に充てることができたり、返済口座の残高に応じて自動で繰り上げ返済する機能を設定できる金融機関もあります。10年間住宅ローン控除を繰り上げ返済に充てるだけで、結構期間が縮まりますよ。『返済額軽減型』は不適応の商品もあるので、住宅ローンを組む際に確認してください」と。
念願のマイホームには、毎年固定資産税もかかりますし、後々メンテナンスも必要です。無理のない返済計画で貯蓄も忘れずに!
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