夏は受験生にとって大切な季節。受験に向かって本腰を入れるためにも勉強を本格的にスタート。また、学校説明会や授業見学・体験なども始まり、志望校を見定める時期ですね。親として、どんなサポートができるのか、この機会に考えてみましょう。
夏休み、本腰を入れて勉強に向かう
男の子と女の子の力を引き出す親のアプローチ
「勉強しなさい!」「また遊んでるの」と、頭ごなしに叱っていませんか。子どものやる気を引き出すには親の関わり方が大切。日本キッズコーチング協会の竹内エリカ理事長にアドバイスをもらいました。
子どもが勉強に向かい
集中力を高める親の関わり方
もうすぐ夏休み、受験生にとっては、いよいよ勉強に本腰を入れる時期。「でも~、うちの子、なかなかやる気になってくれなくて」。受験生の親にとっては、悩みどころですね。「日本キッズコーチング協会」で理事長を務める竹内エリカさんに、子どもたちが勉強に向かうためには、親としてどのように関わると良いか、アドバイスをもらいました。お父さんやお母さん、参考にしてください。
「お子さんは女の子ですか、男の子ですか? 実は、性別によって子どもの力を引き出すためのアプローチの方法が違うんです」と話す竹内さん。それぞれの基本的な性格や性質の違いを知って、男女別のサポート方法を考えてみましょう。
「男の子って、基本的に楽しいことしかしないものです。だから、勉強もゲーム性を持たせて、『これできるかな?』と投げかけて、『じゃぁ、これは?』と、どんどん目先を変えて、問題を解いていくと集中できます。でも、男の子の集中は深くて短いので、飽きっぽいと感じるかもしれませんが、長く机に座っていることを無理強いしない方がいいでしょう」と、男の子の一般的な傾向を話す竹内さん。
一方、女の子については「基本的に、言われた通り、丁寧にするのが好きなんです。“先生が言った順番でやる”“ノートをきちんと書く”、そして一つのことをコツコツできる力もあります。ただ、“きれいに書く”“丁寧にやる”ことに気を取られて勉強が進まないこともあるので、時間配分を気を付けるようにアドバイスしてあげましょう」。勉強時間だけを例に挙げても、それぞれに違いがあります。今回は、「子どもの“やる気スイッチ”の入れ方」「勉強に集中させるには?」「モチベーションを上げる親の関わり方」の3つを例に挙げ、教えてもらいました(左記参照)。
もちろん、これは一般的な性別の傾向。「その子によっては逆のやり方が合うこともあります。個性に合わせてアプローチの方法を変えてみて」ともアドバイスします。
親が熱くなりすぎないこと
受験をするのは子ども本人
親の関わり方は、中学受験をする小学生と、高校受験をする中学生では、少し違います。「小学生は勉強の計画を自分で管理するのは難しいので、勉強時間や内容、どこまでやるのかという目標設定などを親がサポートしてあげましょう。そのためには、子どもが今どんな勉強をしていて、何が目標なのか、親が理解していることが大切ですね」と竹内さん。中学生については「ある程度自分で勉強の計画が立てられます。どちらかといえば、心のサポートに重点を。お子さんが今どんな状況にいるかを理解して、健康面と精神面のケアをしてあげてください」と。
最後に、「男女・学年に関係なく、親が受験に“熱く”なり過ぎないで」と呼びかける竹内さん。「受験するのは、子ども本人です。“どうして受験をするのか”“なぜ勉強するのか”、将来の目的を親子でしっかり話し合いましょう。受験の合否は一つの結果に過ぎません、失敗することもあります。でも勉強をした努力や、親がほめてくれたこと、そんな経験は決して無駄にはなりません。そう思って挑む親の覚悟は必要です」と話します。
女の子
“心地よさ”を感じられる環境に
- セオリー通り、丁寧にやると安心できます。ただ、丁寧にやることに重点を置くと時間をかけ過ぎる傾向があるので注意!
- 「きれいに書けたね」「がんばってるね」と勉強の課程を褒めましょう
- “仲良しの友達と一緒”だと安心できます
男の子
“楽しい”スイッチを押してあげよう
- ゲーム性を持たせて「やってみよう」と思わせる。好きな科目から始めるのもOK
- やり方は子どもに任せましょう
- 勉強する科目をいくつも変えてみる
- 楽しみながら勉強できるような環境を整えてあげましょう
女の子
長くて浅い! どこまでできたか確認を
女の子の集中は長くて浅いです。
長い時間、机に座って勉強する能力は女の子の方がありますが、安心しないで。集中が浅くなっているときもあります。勉強の進み具合を確認してあげましょう。「これくらいの時間でここまでできるようにしようね」など、目標を設定するのがいいでしょう。
男の子
短くて深い! スモールステップ方式
男の子の集中は短くて深いです。
ポモドーロ理論(25分集中して、5分休憩する効率的な時間管理術)がいいといわれますが、集中する時間は個人差があります。子どもの様子を見ながら、その子に合う集中時間を見つけてあげて、途中で休憩を取りながら勉強するようアドバイスしましょう。
女の子
気持ちに寄り添いましょう
- 承認欲求が強いので常に共感する
- 「疲れたね」「でもがんばってるね」と感情に寄り添う
- 想像力があるので、目標達成後をイメージできるような声がけを
男の子
くじけないよう細やかに褒めよう
- 目標設定を高くし過ぎない
- 頭ごなしに叱るとくじけます。小さなステップで褒め続ける
- 「だめだ」と言わないで、「できるわ」と勇気づける