新築に近い状態で入居できる
新築の価格高騰が続いている中、マイホームの選択肢の一つとして、需要が高まりつつある中古物件。シリーズ10回目は中古住宅の一種、「買取再販住宅」について、和歌山市内の物件を中心に不動産営業を行う「ヤマサキハウジング」(和歌山市園部)の代表・山﨑早敏さんに解説してもらいました。
「買取再販住宅」とは、不動産業者(宅地建物取引業者)が買い取った中古住宅を、リフォームやリノベーションをして、新たに販売する住宅を指します。
「内外装を新しくするのはもちろん、設備機器類を新品に入れ替えたり、住宅性能をアップさせたりするので、中古が新築のような住まいに。それでいて、新築に比べてリーズナブルなのが特徴です」と、山﨑さんは説明します。
「『購入後すぐに引っ越せる』『物件が完成しているので、入居後の暮らしのイメージがしやすい』なども特徴に挙げられます」とも。また、「特に大手ハウスメーカーの中古物件は、再販市場でも人気が高い傾向にあります」と加えます。
さらに、要件を満たせば、新築住宅と同様の住宅ローン控除を受けられ、控除期間も13年と、中古住宅の10年より長く適用されるのもメリットの一つです。
買取再販住宅では、売り主である宅地建物取引業者に、最低2年の契約不適合責任が発生します。「例えば、『雨漏りがない』と契約書に書かれていたのに、住んでみたら雨漏りがあった場合は、契約に適合していないため、買い主は売り主にその責任を追及できます」。また、設備機器類に関しては、メーカーの長期保証がついているかどうか、契約前に確認するといいでしょう。
一方、注意点は、修繕や改修が終わった状態で販売されるため、床下や構造部分など、目視できない箇所の劣化状況や不具合が分からないこと。「購入後のトラブルが心配なら、住宅の専門家が診断するホームインスペクションを検討するといいですね」と、山﨑さんは最後にアドバイスしてくれました。

築10年の中古一戸建てをリフォームした物件の一例(写真提供=ヤマサキハウジング)
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