複数人で登記する「共有名義」も
和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・末吉亜矢さんが手ほどきする「成功する土地探し」シリーズ。前回(1月25日号)のテーマ「土地の売買契約」に続き、今回は、その次のステップである「登記」について解説してもらいます。
まず、登記とは。「土地や建物の現状や所有者の権利関係を、法務局に届け出て、登記簿に記載することです」と、末吉さんは説明します。「登記が完了して、ようやく『この不動産は自分のもの』と主張できます」とも。
ひと言で登記といっても、その種類はさまざま。「土地を購入した場合は、所有権を移すための『所有権移転登記』、土地の用途を宅地にしたときの『地目変更登記』、土地をローンで購入するなら『抵当権設定登記』などがあります」。土地付きの中古物件を購入して建て替える場合は、『建物滅失登記』を届け出ます。
登記の申請をするには、必要事項を記載した申請書や添付書類を法務局に提出します。「ご自身でも申請できますが、複雑で専門的な知識が求められるケースが多く、司法書士が代行するのが一般的」と末吉さん。
登記費用には、登録免許税や印紙税、また司法書士に依頼する場合はその手数料が必要です。登録免許税は登記の種類によって金額が異なり、売買による土地の所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額×1・5%です(2026年3月31日まで)。
最近は共働き世帯が増加し、夫婦で資金を出し合って土地を購入することもあるでしょう。「その場合は『共有名義』となり、出した資金の割合に応じた持ち分で登記されます」と、末吉さん。税金の控除を夫婦それぞれで受けられるメリットがある反面、単独名義に比べ、土地の管理や処分が制限されます。「例えば、相続によって共有名義者が増えた場合、土地を売却するにも名義者全員の署名や押印が必要になり、手続きが煩雑になることも」と、末吉さんは話していました。

末吉亜矢さん
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