ハザードマップで被災リスクを確認
広さや価格、周辺環境など、土地選びの条件はさまざまですが、災害時の安全性にも意識を向けたいものです。シリーズ6回目は、「被災リスクを避ける土地の探し方」について、和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・末吉亜矢さんが解説します。
土地を購入するとき、売り主と買い主で契約を結び、締結前に土地に対する説明が行われます。「重要事項説明と呼ばれ、不動産取引法務の専門家である宅地建物取引士(宅建士)が、権利関係や土地の履歴・状態を説明します。その際に、過去の被災の有無や地盤調査の必要性も尋ねておくといいですね」と、末吉さんはアドバイスします。
また、水害に関する情報提供も、宅建士が行うことが義務付けられています。「洪水・内水・高潮など、水害に関するハザードマップを見ながら、対象物件の位置を伝えます。津波災害警戒区域や土砂災害警戒区域についても説明します」。しかし、重要事項説明は契約の直前に行われることもあります。そのため、「土地探しの段階で、自分たちでも被災の可能性があるかどうか、あらかじめ確認しておきましょう」と、末吉さんは促します。
「住みたい地域の災害や防災の情報は、国土交通省のハザードマップポータルサイトや、各市町村のウェブサイトで閲覧できます」。ハザードマップには、地理情報や過去の災害データを基に、今後起こると予測された被害範囲が記載。避難場所や経路も載っています。「防災科学技術研究所のウェブサイト、『地震ハザードステーション』では、地盤の揺れやすさを調べられます」とも。
購入を希望する土地に、ブロック塀や斜面の土砂崩れを防ぐための擁壁などがあれば、劣化の状況の確認も。被災した場合、塀や壁が崩れて、避難路をふさいだり、けがをしたりする可能性があります。
最後に、「自然災害に強く、安心して暮らせる土地は、将来的に資産価値が下がりにくい、と評価されています」と、末吉さんは話していました。
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