治療の最前線! 専門医に聞くvol.23
定期的な健康診断で
疾病の早期発見と治療につなげる

私たち消化器内科では、口から肛門までの消化管、肝臓・胆のう・胆管、すい臓の臓器も診療します。地域の医療機関とも連携し、受診した患者さんには症状の原因を早期に究明し、加療できるように努めています。

近年、食生活の欧米化により胆石症の患者が多く、日本人の約10%に胆石があるとされるほどの高い有病率です。胆石とは、胆道系に形成された結石で、激しい痛みや胆道感染症などを起こすこともありますが、半数以上は無症状。肥満体型、40歳以上、多産の女性、白人に多いとされてきましたが、男性にも増えています。胆のう結石は無症候なら経過観察としますが、急性胆のう炎や胆石発作を起こしたことがある人、総胆管結石症と診断されたことがある人などは外科的手術で胆のうを摘出することが望ましいでしょう。消化器内科では、主に総胆管結石症やそれに伴う急性胆管炎の加療として、内視鏡で結石除去術を行います。

総胆管結石とは、主に胆のう内にできた結石が総胆管に流れ落ちたもの。発熱、上腹部痛(右ろっ骨の下辺り)、黄だんの3つが代表的な症状。これらの症状があれば医療機関の受診を。症状が出なくても、自身に胆石があるかどうか、その他にも疾患がないかを確認するため、定期的に健康診断や医療機関を受診し、自身の健康状態を把握しておくことが大切です。

胆石の検査にはCT検査や腹部エコー検査などが有用。胆石を持っている人で症状がある場合は、重症化する前に医療機関で早期に腹部エコー検査を受け、治療を始めることが重要です。
(済生会和歌山病院消化器内科・山崎博史)

山崎博史医師

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