就農目的の移住者向け「農地付き空き家」
和歌山県は、地方移住を支援する認定NPO法人の「ふるさと回帰支援センター」による「移住希望地ランキング」(2022年)で全国8位と、注目度の高い移住先の一つです。「農地法の一部改正で、今年4月から農地取得の条件が緩和されています。このことから、田舎暮らしと農業を楽しみたい移住者が、今後増えるかもしれません」と話すのは、和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・武田雅博さんです。「空き家の悩み」シリーズの5回目は、「農地付き空き家」について、解説してもらいました。
農地付き空き家とは、農地と空き家がセットになった物件です。「農地とは耕作を目的とした土地のこと。農地法で農地の売買や賃借、農地以外への転用が制限されています」と、武田さんは説明。
国は有休農地や空き家の有効活用と地域活性を目的に、「既存住宅活用農村地域等移住促進事業」を2020年にスタート。自治体の空き家バンクで、就農への関心が高い移住希望者へ向けた農地付き空き家の情報を提供しています。「今回の法改正で農地取得許可の基準の一つである耕作面積の下限要件が撤廃。小さな土地でも農地取得が可能な場合が出てきます」
農地付き空き家は、持ち主にとって、家と農地を同時に売却できるメリットがあります。「農地の面積、接道、地域の利便性など条件が異なっていても、家の手入れがよく、すぐに移り住める物件は、比較的売れやすいです」と話す武田さん。「農地が広い場合、家とその周辺の農地をセット売りにし、他の農地は別で売っても」とも。
物件の情報は、前述の空き家バンクに登録しながら、民間の不動産業者のポータルサイトでも紹介すると、より多くの人の目に留まります。「不動産業者の査定で売却価格の相場を知ることもできます」と、武田さん。「市場や物件に合った価格が重要で、高く設定すると買い手が見つからず、売却に時間を要します。家は人が住まないと劣化が進み、資産価値が日に日に下がりますよ」とも話していました。
不動産に関する相談は宅建協会まで
お問い合わせ | 073(472)4600(祝日除く月~金曜の午後1時~4時半) |
---|
関連キーワード