和歌山市内の海や山で五感動くださ~い!
アウトドアフィットネス
- 2023/8/3
- フロント特集
ライフスタイルが大きく変化している昨今、心身の健康を意識し、生活の中にスポーツを取り入れる人が増えています。今号は、今話題の海や山、公園など、地域の自然を生かし、スポーツを楽しむ「アウトドアフィットネス」を取り上げます。
山見玲加さん
アウトドアフィットネス和歌山のサップとシュノーケリングのインストラクター。和歌山市内で民泊も行っています
地域の自然をそのまま生かして
SUPやヨガなど8プログラム
「アウトドアフィットネス」は、自然の中でスポーツを楽しみながら、健康や体力の維持・向上を図り、さらには地域の人やそこを訪れた人たちのコミュニティーの場を創出しようというもの。気候や地形など、地域の特性を生かしたプログラムが、全国各地で展開されています。
「和歌山市は市街地から海や山などが近く、まちなかに居ながら自然を身近に感じられるのが魅力。生活の中にスポーツを手軽に取り入れることができ、アウトドアフィットネスにおすすめの地です」と話すのは、「ソラトチ」代表取締役の有井安仁さん。
今年6月、同市内で「アウトドアフィットネス和歌山」を立ち上げました。各地、活動の拠点となる施設を設け、周辺の自然を楽しむといったケースが多い中、同社は和歌山市内全域の自然を生かしたプログラムを企画。拠点となる施設を特に設けず、地域の人や企業、団体などと連携しながら進めています。
現在、サップ(ボードの上に立ち、パドルをこいで水面を進む)や、シーカヤック、ヨガ、トレッキングなど、プログラムは8つ(記事下部で紹介)。
地元の人はもちろん、県外から参加する人が増えつつあり、体験を通じて、豊かな自然が織りなす景色に魅了される人も多いそう。5年前に東京から和歌山市に移住したというサップのインストラクター・山見玲加さんは、「雑賀崎や和歌浦では地形を楽しむなど、ちょっとした冒険気分が味わえます。自然と一体化したような感覚になりますよ」と目を輝かせます。
有井さんは、「まずは地元の人が地元で遊び、楽しむことが大切。楽しんでいる人のところには人が集まりますからね」と笑顔。今後、プログラムを増やしていく意向です。その上で、「宿泊施設、ワークスペース、スポーツアクティビティーがそろえば、地域外に住みながらも、地域と継続的に関わる人も出てきます。それがワーケーションや移住・定住にもつながるのでは」と先を見据えています。
日常に“自然”を取り入れ、暮らしを楽しもう!
近隣の人や企業、施設と連携
雑賀崎や和歌浦を中心に開催
アウトドアフィットネス和歌山は、現在、雑賀崎・和歌浦を中心にプログラムを展開。例えば、番所庭園が所有するプライベートビーチを活用し、サップやヨガなどを楽しんだ後、双子島荘の温泉に入浴し、帰路に就くといったコースを設けています。有井安仁さんは「スポーツをするのはもちろん、周辺には施設や店も多いので、食事をしたり、景色を眺めたり、ゆったりと過ごせると思います」と、利点を伝えます。
三方が海で囲まれた番所庭園は、江戸時代、黒船の来航を機に、紀州藩が海の防備見張りのために遠見番所を設けた場所。1917年、荒れていたこの土地を、和歌山市の医師・滋野左右吉さんが整備し、1965年に開園しました。庭園下のビーチからは、紀州青石(緑泥片岩)でできた海岸美が広がる密かな絶景ポイント。滋野さんの孫で、運営会社「吹上」の社長・滋野広明さんは、「近隣の人たちが環境を守ってくれて維持してきた浜。いろいろなかたちで地元の人に還元できれば」と話します。
ビーチでは早朝、ヨガのプログラムが開催。参加者たちは、風、潮の香り、波の音を感じながらヨガを体験します。和歌山市内でヨガスタジオ「蓮舞」を主宰するインストラクター・中谷千保子さんは、「この時期は午前中ビーチに影ができ、涼しい風が通ります。五感で自然を感じながら心身ともにリラックスできる時間です」と笑顔を見せています。
■ サップヨガ
■ ビーチヨガ
■ トレッキング
■ トレイルランニング
■ ノルディックウオーキング
■ シーカヤック
■ サーフィン
プログラム
詳細・申し込み
各プログラムの詳細の確認や申し込みは、アウトドアフィットネス和歌山のホームページから
お問い合わせ | 050(3701)8694 アウトドアフィットネス和歌山 |
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メール | info@outdoorfitness-wakayama.jp |
@outdoor_fitness_wakayama | |
詳細・お申し込みはこちら(HP) | https://www.outdoorfitness-wakayama.jp |
こんな取り組みも!
和歌山市は、「スポーツワーケーション」を推進しようと、観光庁の「ワーケーション推進事業」企業と地域によるモデル実証事業を活用し、昨年10月~12月、和歌浦地区で実証実験を行いました。
これは同市と全国でフィットネススタジオなどを展開する会社「ルネサンス」(本社=東京都)との取り組みです。同社の社員15人が3グループに分かれ、4泊5日で、ヨガやランニングなどのアウトドアスポーツと仕事を組み合わせた生活を体験。腕時計型のコンピューター「ウェアラブル端末」を使って、活動量や感情の科学的分析を行い、仕事の生産性やストレス度などを検証しました。結果、約8割の人に感情面で良いデータが得られました。
今後、スポーツワーケーションを進めていくには、宿泊施設、ワークスペース、スポーツアクティビティー、交通手段などを考え、整備していくことが必要となってきます。同市企画政策部移住定住戦略課班長・小林健太さんは、「スポーツワーケーションの体制をつくり上げていくため、賛同者を募り、地域やさまざまな事業者と連携していきたいです」と話しています。
※スポーツワーケーション=アウトドアスポーツとワーケーションを組み合わせたもの