適切な維持管理の責任や費用が発生
人口や世帯の減少などの理由から、全国的に社会問題化している空き家。2018年住宅・土地統計調査(総務省統計局)によると、和歌山県の空き家数は総住宅数の5分の1を占める9万8400戸で、全国2位の空き家率となります。毎月最終週で連載する「空き家の悩みQ&A」では、和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・武田雅博さんが空き家問題に答えます。初回は「相続」について聞きました。
2019年空き家所有者実態調査(国土交通省)によると、空き家の取得方法は「相続」が54・6%と最多です。「空き家を遺産として受け取る際、遺言書がある場合はその遺言に従って相続が行われます。遺言書がない場合は民法で定められた法定相続人、例えば故人の配偶者や子、親、きょうだいなどが相続します。個人、または共有で相続するかは、相続人全員で話し合って決めます」と、武田さんは解説します。「不動産を相続するときには、登記の名義を変更します。2024年4月から相続登記の義務化が施行され、相続から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料が科されることも」とも。
「空き家を所有すると、住む住まないに関わらず、管理責任が発生します。破損部分の修理や草刈りなどの維持管理費、水道・ガス・電気の基本料金、固定資産税などの税金の支払いも生じます」。適切に管理されていない場合は、「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、市町村から指導や勧告、命令を受けることも。「今年3月には、空き家対策の強化を理由に同法が一部改正されました。劣化が激しく周辺に悪影響を与える『特定空き家』だけでなく、このまま放置すれば特定空き家になるであろう『管理不全空き家』も、同法の対象となります」
「活用方法がなく、持っていても出費がかさむ場合は処分の検討も」と、武田さんは最後にアドバイス。次回5月27日号は「空き家の処分」について解説します。
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