太陽光発電と組み合わせてよりエコに
資源エネルギー庁の「エネルギー白書2022」によると、家庭用エネルギー消費の内訳(2020年度)は、動力・照明他が34%、給湯が27・8%、暖房が25・1%と、給湯の消費が4分の1以上を占めています。
「省エネの家」シリーズの8回目は、高効率な給湯器「エコキュート」について、「ダイキンHVACソリューション近畿」和歌山営業所(和歌山市太田)の谷中宣仁所長に聞きました。
給湯機の燃料には、電気やガス、石油(灯油)などがあります。エコキュートの名称で知られる家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯器には、空気中の熱エネルギーを活用するヒートポンプ技術が用いられています。「電気エネルギーだけでお湯を沸かすのに比べ、消費電力は3分の1に。ガスや石油より、CO2の排出量を大幅に削減できるのも、エコキュートの特徴です」と、谷中さんは話します。
中でも注目したいのは、太陽光で発電した電気を使うタイプです。「通常のエコキュートは、電気料金の安い深夜電力を使って貯湯タンクにお湯をためます。太陽光型は太陽光発電の余剰電力を使うことで電気代を節約します」と谷中さん。「昼間の方が外気温や水温が高いため、より少ない電力でお湯を沸かせます」とも。また夜間型の場合、お湯を沸かすのは前日の深夜から朝方になりますが、太陽光型は昼間帯にお湯をためるため、その日の夜に入浴すればタンクの放熱ロスも少なくてすみます。
日本冷凍空調工業会の統計によると、2021年度末時点で、エコキュートの累計出荷台数は800万台を超え、買い替え需要と併せて家庭への導入ペースが伸びていることが分かります。日常生活に欠かせない給湯器だからこそ、省エネ性能の高いものを選択すれば、快適でSDGsな暮らしを送れそうです。
「省スペース型や高圧給湯タイプ、ヒートポンプユニットだけ交換可能な機種など、多様な製品がそろっています。メーカーや施工業者に相談して、ライフスタイルや家族構成、予算に合ったものを選んでくださいね」と、谷中さんは話していました。
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