紅白歌合戦2022
幕の内、寄せ鍋から〇〇へ
7年前、この紙面上でNHK紅白歌合戦を“幕の内弁当”から“寄せ鍋”になったと評したことがある。要は、おかず(歌手)単体が際立っていた時代は終わり、相乗効果が求められる時代へ入ったということだ。演歌歌手の後ろで踊るアイドル。NHKで民放アニメ主題歌を熱唱。副音声で人気芸人が解説…と、さまざまなだし(要素)が混じる番組へと変貌したのだ。
しかし、7年もたてば、また事情が変わってきた。お鍋の要素はそのままに、入れる具材が全く違う。カタカナ食材が大半を占めた、洋風のチーズ鍋といったところだろう。出場歌手のうち、20組が横文字(ちなみに、演歌歌手は6組程度)。韓流グループも4組いるので、キムチ入りのお鍋だ。チーズとキムチの相性抜群、濃厚な味に若い人は虜(とりこ)になるが…。これでは受信料で長くNHKを支えてきた中高年層が、離れていくのは目に見えている。ならいっそのこと、紅白の途中に来年の大河ドラマ初回を細切れで挟み込んでみるとか。チーズ鍋にあんこを入れるような組み合わせ。案外いけるかも。それでは良いお年を。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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