「BELS」「説明義務」などの制度も
温暖化や異常気象に関する国の対策として、住宅にも環境に配慮した省エネ性が求められています。シリーズの2回目は、省エネ住宅の表示制度について、和歌山県県土整備部都市住宅局建築審査班の三木雅史班長に聞きました。
「住宅の性能を“見える化”したものに、『住宅性能表示制度』があります」と三木さん。品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められた制度で、国に登録された第三者機関が審査し、新築住宅の性能を10分野32項目に分けて等級や数値で評価します。
「省エネ性もその一つです。外壁や窓などを通して熱の損失を防止する『断熱等性能等級』と、冷暖房など家で使うエネルギー消費量の削減の程度を示す『一次エネルギー消費量等級』があり、等級が高くなるほど、省エネ性能も高くなります」(左図参照)。省エネ基準は両等級の4に位置付けられており、2025年度に新築住宅の最低基準となる予定です。
また、高性能な省エネ住宅「ZEH」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の等級が、今年4月に創設。今月にはZEH水準を上回る断熱性能の等級6、7も新設されました。「国は2030年までに、住宅の省エネ基準をZEH基準に引き上げる予定です」と三木さんは話します。
同制度の評価を受けた住宅は経済的なメリットとして、住宅ローンの金利優遇や地震保険料の割引適用が受けられます。
住宅性能表示制度以外で、省エネ住宅のレベルが分かる制度には、省エネ性能を星の数で示した「BELS」(ベルス)や、建てる家の省エネ基準の適否などを建築士が施主に伝える「説明義務」もあります。
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