“家事楽”で家族の暮らしもスムーズに
数々のマイホームを手掛けている地元ビルダーの建築士に家づくりのトレンドをヒアリング。今回は、「ヤマイチ・ユニハイムエステート」(和歌山本店=和歌山市中之島)の一級建築士・川上武也さんに、“動線”について聞きました。
玄関近くに客間があって、キッチンは北側、その近くに茶の間…といういわゆる“サザエさんのおうち”は典型的な昭和の間取り。「今は、家族が団らんするLDK(リビング・ダイニング・キッチン)を南側に配置する人が大半。そこを中心に浴室(脱衣所)・洗面所、玄関と回遊できる“回遊動線”が人気です」と川上さん。
コロナ禍の昨今は、玄関先のシューズクロークに加えて、玄関近くに家族全員分の衣類が収納できるウオークインクローゼットを設け、なおかつ、玄関から洗面所に直行できる動線が注目の的。「新しい生活様式に対応したつくりですよね。リビングを通らずに洗面所・クローゼットに行ければ、子どもが外遊びしてどろんこになっても家の中に土が落ちませんし…」と。また、最近の傾向として、「脱衣所と洗面所を分けたいという要望が増えている」と言います。
これらは、トイレや浴室に行くための通り道「衛生動線」や忙しい朝に混み合わない「通勤通学動線」といわれ、そこにイマドキの生活スタイルが加味されています。さらに、マイホームを設計する上で、最も重要視されるのが「家事動線」。
「鉄則は、水回りを集中させること」。キッチンから洗面所・浴室に移動できれば、炊事しながら洗濯をしたり、子どもの入浴を手伝ったり…。さらに、物干しスペースやクローゼットがその先にあれば、より“家事楽”に。「その結果が、“回遊動線”に結びつきます」と。ただ、トイレだけは玄関先に置くべきか、集中水回りの一角に配置するか意見が分かれるとか。
モデルハウスを見学する際、動線にも目を向け、使い勝手の良い動線・間取りを見つけましょう。
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