紀の国わかやま文化祭 未来へつなぐ人 vol.08
絵を描くことが生活の一部に 作品を通して人とのつながり楽しむ
- 2021/9/30
- コーナー
- 紀の国わかやま文化祭未来へつなぐ人
「絵を描いていると、前向きな気持ちになるんです」。テレビでパステルアートのことを知り、独学で描き方を身に付けたという中川朋美さん。「“今日はこの部分、明日はこの部分を描こう”と少しずつ仕上げます。そして夜、寝ながら“あーしよう”“こーしよう”と、頭の中は絵のことでいっぱい。生活の一部になっています」と笑います。
中川さんは、生まれつき骨の病気で低身長が特徴の「先天性脊椎骨端異形成症」があり、重い荷物を持つことや長距離を歩くことなど、日常生活の中で制限されることが少なくありません。そんな中で出合ったのがパステルアート。初めて描いた絵はミズバショウで、祖母にプレゼントしたら喜ばれたことが、“上手になりたい”という気持ちに拍車をかけました。
毎日、コツコツと描く中、作品展に出展したいという気持ちに。でも、自身で搬入・搬出するとなればハードルが―。縁あって3年前、和歌山県障害者作品展「紀ららアート展」に応募。2019年度と20年度の「紀らら感動大賞」に選ばれました。中川さんは毎年、他の人の作品を見るのも楽しみにしており、「会ったことはありませんが、つながっているような気持ちになります」と。
今、国文祭に向けて「森の妖精」をテーマにした作品を制作中。「人と気軽に会うのが難しい今だからこそ、絵を見て少しでも明るい気持ちになってもらえたらうれしいです」と話します。夢は個展を開くこと。その日に向け、絵を描き続けています。
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