デザイン・設計重視には不向きかも
「宅地(単独地)」「分譲地」「古家付き土地」、それぞれの特徴とメリット・デメリットを、“土地のプロ”たちが解説するシリーズ。今回は、「フジシマ不動産」(和歌山市南材木丁)の岡本泰典さんが、「分譲地」について話します。
「分譲地」は、建物を建てることを目的に住宅会社や不動産会社が広い土地を買い上げ、区画を整理して、宅地用に販売する土地のこと。「電気・ガス・水道が敷地内に引き込まれ、接道義務や道幅など“道路問題”もクリアな状態で売りに出されているので、単独地より購入しやすいと思います。そこに住むことを考えて宅地造成されているので、学校や病院、スーパーなど周辺環境も悪くはありません」と岡本さん。しかし、昨今、中心市街地で分譲できるほどの広い土地は少なく、その多くは郊外立地。「にもかかわらず、ライフラインや道路の整備代が転嫁されている分、やや割り高感は否めません」と。さらに、岡本さんは、「立地環境が良く、価格に納得したとしても、ちょっと待って! 『分譲地』には、もう一点、重要な確認要素があります」と注意を促します。それは、「建築条件付き土地」かどうかということ。
建築条件付き土地とは、①建物は決められた建築会社で施工②一定期間内に請負契約を結ぶ、というその「分譲地」を購入する上での約束事。“売建住宅”ともいわれ、建て主の意向はある程度取り入れられるものの、100%自由設計というわけではありません。建築条件を外せるケースもありますが、その場合は、土地代金がアップします。「家にあまりこだわりがない人や、条件付きの業者が気になっていた建築会社なら、建売住宅よりは自由度のある家が建てられますが、細部まで自分たちの思いを反映したい人には不向き。また、メーカーにこだわりがある人も、建築条件が外せたとしても、メーカーの規格によっては建てられない場合もあります」とのこと。
最後に、「分譲地」に家を建てるということは、同世代の世帯が同じ時期に住み始めることになるので、なじみやすいという反面、コミュニケーションが密になりやすいということも覚えておきましょう。
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