今どきの放送局には
制作局がない!?
十数年前まで、放送局の心臓部だった“制作局”。バラエティー、ドラマなどを制作する局員憧れの花形部署だった。ところが、今どきの放送局には、その制作局という名前が消えつつある。その代わりに登場したのが、“コンテンツクリエイト局”的なネーミング。横文字にしただけでなく、テレビ以外のさまざまなコンテンツを“クリエイト”する部局ということ。テレビ番組とSNSを連動、テレビ番組を有料コンテンツに流入など、メディアミックスを目的に立ち上げられている。つまり、テレビ番組の制作だけじゃ食えなくなってきているのだ。同様の理由で、放送局はいろんな事業に取り組み、不動産業、アニメ制作、CD販売、通販会社といった子会社を設立、多角的な経営に乗り出している。中には、アウトドアのグランピング事業を目的とした子会社がある放送局も。もはや、テレビだけじゃダメだということだろう。いずれは、テレビ局が家電製造業務を請け負い、テレビを作るといった冗談のような話が真実になるのかも。“制作局”は消え、“製作局”という部局が再びできるのかもしれない。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
関連キーワード