寒い冬はつい活動量が減って運動不足になりがち。コロナ自粛も相まって、筋力低下が気になります。でも、あらためて運動となると、なかなか重い腰が上がらない…というのが本音では? そんなあなたに、子育てしながらアスレチックトレーナーとして活躍する南由佳さんに、運動不足を解消する“ながら”ストレッチとエクササイズを伝授してもらいました。
「ちょこっと」「ついでに」するだけで
何歳になっても“動ける体”に!
寒い冬は家にこもりがち。さらに、コロナ禍で活動を制限したり、仕事がリモートに、またはデスクワークが増えたりしていませんか。運動量が減ると心配されるのは筋肉量の低下。私たちの生活に取り入れて予防できることは? アスレチックトレーナーの南由佳さんに聞きました。
「筋肉量は20代から低下し始めます。でも、それに気付くのは30代半ばごろで、いざ運動を始めようとしても長続きしないことが多いんです。例えば子育てで忙しくても、心がけていてほしいのは、“動ける体”づくり」と、南さん。子育てしながら仕事もこなす南さんがすすめるのは、普段の生活で“ちょこちょこ”動くこと。「何か特別なことをしなくても、日々の動きに加えて、普段あまり使うことがない体の部位を意識して動かすことで、“運動”に。特に、体の裏側を伸ばすことと、下半身を鍛えておきたいところ。後々の肩や膝、股関節などのトラブル予防になります」と話します。
「水分補給も忘れずに。体の約60%は水分でできていて、筋肉を付けるには水分が必要です。タイミングを自分なりに決めて、こまめな水分補給を」とも。毎日の生活動作に取り入れられるストレッチやエクササイズを教えてもらいました。
起床
まずは寝たまま
伸び(5~10秒)
眠っている間に体は凝り固まってしまいます。そのまま起き上がると、腰や肩が痛いときはありませんか。起き上がる前に、両手をまっすぐ上へ、全身をしっかりと伸ばしましょう。
猫のポーズ(5~10秒)
肩幅ぐらいに腕と足を広げて四つんばいになり、お尻を上げ、腕と胸、顔が布団につくように。腰から背中にかけて伸ばして、猫背の予防に。寝る前にも。
歯磨き
しながら
ボールコロコロ(左右1~3分)
テニスボールを足の裏で踏みつけながらコロコロ転がしましょう。足の裏の土踏まずのアーチが崩れると、姿勢が悪くなり、体に負担がかかりやすくなります。ボールをコロコロすることで刺激を与えて、足の裏を柔らかく。足先がよく冷える人も、温まってポカポカしてきます。
トイレ
に行ったら
スクワット(5回)
下半身の筋肉を付けます。特に太ももの前側と裏側、お尻のトレーニングに。便座に座るようにお尻を落とし、そのまま真っすぐ上に立ち上がります。トイレを済ませたら5回…など自分で回数を決めて習慣化を。昼や夜にも取り入れてみて。
意外と簡単に
体を動かす日々の習慣
椅子
立ち上がるときは
脚裏伸ばし(左右10~20秒ずつ)
片足を伸ばし、つま先を上に向けてピ~ンと伸ばします。太ももからふくらはぎの脚の裏がすっきり伸びるように(左右とも)。
モップがけ
しながら
モップでヒップアップ
お尻を落とし、そのままの姿勢をキープしながらモップを左右に動かし、後ろへ下がりながら床をきれいに掃除します。背筋はまっすぐ、膝はつま先よりも前に出ないように注意してください。
子どもと
遊びながら
ペンギン歩き
足の甲に子どもを乗せ、膝を伸ばしたままつま先を上げ、かかとで前後や左右に歩きます。つまずき予防の運動になり、子どももバランス感覚が養われます。
でんぐり返し
子どもの手をしっかりと握り、逆上がりをするように子どもはママの体に足をかけて登り、回ります。ママは背中を鍛え、子どもは逆上がりの練習になります。
階段
上がる前に
ふくらはぎ伸ばし(左右5秒ずつぐらい)
つま先だけを階段にかけ、ぐっとかかとを下げてふくらはぎを伸ばします(左右とも)。外出先で上りエスカレーターに乗るときなどは、しっかり伸ばせるチャンス!
キッチンで
洗い物をしながら
つま先立ち&ふくらはぎ伸ばし(10回&左右10秒ずつ伸ばす)
かかとを上げたり下げたりして、ふくらはぎを鍛えます。その後は、つま先をシンク下や壁にかけ、ふくらはぎがしっかり伸びるようにストレッチを(左右とも)。
冷蔵庫
開ける前に
胸を開くストレッチ(左右5~10秒ずつ)
冷蔵庫の側面などに手をかけ、反対側の足を1歩前に、体をぐっと前に出します。肩甲骨が後ろに動くのを実感して。左右それぞれ同じ動きを。
入浴後
バスタオルで
側面伸ばし(左右5〜10秒ずつ)
バスタオルを持って両手を引き上げ、左右真横に倒します。猫背になると、体の横側も縮んでいくので、気持ちがいいところまで伸ばしましょう。腰痛の予防にも。
背中でひっぱる(上下を5回ずつ)
バスタオルを背中に回し、右手で上を、左手で下を持ち、上下交互に引き合います。左右の手を入れ替えて、同じ動作を繰り返します。
撮影協力=紀州国土建設(本社モデルハウス)
※痛みが伴う動きは無理をせずに。気持ちよくできるエクササイズを毎日の生活に取り入れましょう
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