コロナ禍で快適環境を求める声も
一戸建てでもマンションでも多くの人にとって“マイホーム”を購入するのは一生に一度切り。“〇年前は新築”だったおうちも長く住み続けると、“ガタ”が来ます。また、世代交代、家族数の増減、住まい手の変更などによって、使い勝手や間取りが現実の生活に合わなくなることも…。既存住宅をもっと住みやすく、快適にするためのアドバイスをシリーズで展開します。初回は、住友不動産新築そっくりさん事業本部和歌山営業所(和歌山市三木町中ノ丁)の所長・赤尾高秀さんに、リフォーム市場と動向について話を聞きました。
「和歌山県は2018年の台風21号で大きな被害を受け、修繕・メンテナンスを含めたリフォーム需要が拡大。その波がひと段落したところに、新型コロナウイルスの感染が拡大して、受注が激減。緊急事態宣言が解除されて以降、少しずつ受注が戻ってきている感じです」と。また、リフォームを検討するきっかけとして、老朽化、地震対策に加え、「水災害を気にされる方が増えています」と言います。
外壁・屋根の張り替え、水回りを新しい設備に変えたい、台所、客間、和室と区切られたスペースを広いLDKにしたいといった間取り変更の要望の他、リビングを2階に移したい、中古物件を買ってリフォームしたいといった相談も多いのだそう。逆に、“バリアフリー”にという依頼は減少傾向なのだとか。「10年ほど前は多かったのですが、最近の住宅はバリアフリー仕様が標準で、当社のまるごとリフォームでもスタンダード化しているため、そのためだけにという依頼は減っています」と。
さらに、コロナ禍で在宅時間が増えた今、男性の家に対する関心が高まっているそうで、「これまでリフォームに積極的なのは奥さんで、どちらかというとご主人は消極的でしたが、最近は“当主”が前向きに…。家の不具合に気付き、より快適な環境を求める傾向が見受けられます」と赤尾さんは話していました。
関連キーワード