風向きと 強さの表現⑫
- 2020/9/10
- コーナー
- よみトク気象ナビ, 過去の人気連載コーナー
―夏~秋に多い台風。どうやってできるの?
赤道付近の海水が太陽で温められ、蒸発した水蒸気によって上昇気流が発生し、雲が集まって渦ができます。渦が大きくなったものを熱帯低気圧と呼び、中でも最大風速が1秒間に17m以上のものが台風です。
―気象衛星で見ると、中央に穴の開いたような部分がありますよね?
「台風の目」のことですね。その部分は風が弱く晴れています。台風は移動しているので、晴れているからといって油断は禁物です。
―風の強さの表現に基準はありますか。
台風の風の強さは、1秒間に33m以上が「強い」、44㍍以上が「非常に強い」、54m以上が「猛烈な」と表現します。例えば、最大風速が1秒間に約17㍍だと、時速でいうと約60km。車と同じ速さの風が吹くということです。
―天気予報を見るときに気を付けることは?
台風は中心に向かい、反時計回りに渦を巻きながら進んで行きます。進行方向の右側は、左側に比べて風が強く吹きます。自分の住んでいる地域が、台風の進行方向のどちら側か確認するようにしましょう。
―台風が近づく前にしておくことは?
ハザードマップなどで、自分や家族が住んでいるところ、活動しているところに危ない場所はないかを確認。大雨が降った場合をイメージして避難場所までのルートを把握しておきましょう。また、停電に備え、懐中電灯やラジオが使えるかも必ず確かめて。
―近づいているときは?
テレビのデータ放送などで最新の気象情報を入手。危険が予測されるときは早めの対応を取るようにしてくださいね。
回答者 | 田中省吾さん 和歌山地方気象台の技官で、日本南極地域観測隊の元隊員 |
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