昭和から平成、令和へと時代は移っても、“庭付き一戸建て”は不変の憧れではないでしょうか。ですが、大半の人は“家”に予算を費やして、“お庭”は必要最低限の設備になりがち。今回は、ガーデン&エクステリアの総合展示場を開設している「シンワテクノ」(本社=和歌山市北野)の代表取締役で一級建築施工管理者の松下和正さんに、エクステリアの考え方について聞きました。
エクステリアとは、家の外回り全般のこと。庭やウッドデッキの他、門扉やフェンス、カーポートも含まれます。「今はハウスメーカーもビルダーも建物に加え、外構まで手掛けるようになりましたが、一昔前まで、外回りは専門の業者が施工するのが一般的でした」と、松下さんは前置きした上で、「新築する際、統一感を持たせるためにも、建物と外構をセットでプランニングすることが望ましい」と。続けて、「お庭も家の一部と考え、間取りと同様、業者に任せっきりではなく、設計段階からしっかり関わって」と呼びかけます。そして、「プランニングする際は、動線、見栄え、防犯の3つの要素を意識して考えてほしい」と強調します。
玄関から門扉までのアプローチは、短くても家の第一印象を決めるといっても過言ではありません。しかし、家族全員が毎日利用する場所でもあるので、どんなにおしゃれなデザインでも使い勝手が悪ければ、本末転倒です。さらに、住み始めると意外と気になるのが掃きだし窓の外からの視線。フェンスをつけたり、高木を植栽することで目隠しになり、不審者の侵入防止策にもなります。
庭に関しては、門扉やポストのように“生活必需品”ではないため後回しにされがちですが、コロナ禍で生活スタイルが変わりつつある今、ウッドデッキや人工芝の需要が高まっています。「すてきなお庭は、日々の生活をより楽しく、豊かにしてくれます。これから新築される人は、建物予算を少しエクステリアに回してはいかがでしょうか」と、松下さんは話していました。
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