夏の入道雲 急な大雨や雷⑨
- 2020/7/9
- コーナー
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―夏に見られる急な大雨。原因は何?
夏の雲の特徴ともいえる「積乱雲」(写真)が原因です。雷や大雨を降らす、黒くて高さのある雲で、別名「入道雲」とも呼ばれています。どちらかといえば、入道雲の方がなじみがあるかもしれませんね。
―確かに、入道雲なら知っています。
地表付近の温かく湿った空気が上昇し、上空の冷たい空気と混じり合うことで発生します。そして、大雨やひょうを降らせたり、雷や激しい突風を起こしたりします。
―大雨に遭遇したことはあります。でも、すぐにやんだような…。
雨が降っても1時間ほどでやむことが多いのですが、低気圧や梅雨前線などの気象要因が加わると、大雨が長時間続くこともあります。
―急に雷や大雨に遭うと大変。入道雲を見つけたとき、近づいてくるかどうかを判断する基準は?
「真っ黒い雲が近づいてきた」「雷の音が聞こえてきた」「急に冷たい風が吹いてきた」といった変化を感じたら、近づいてくるしるしです。
―変化を感じたとき、どう行動すればいいの?
屋外にいる人は、しばらくの間、頑丈な建物の中で身を守ってください。近くに電柱や木がある場合は、落雷や突風などにより倒れてくることがあるので注意が必要です。川の近くにいる場合は、大雨で川が増水することも。すぐに離れ、少しでも高い場所に移動しましょう。
―分かっていても、人は「自分は大丈夫だろう」と考えてしまいがち。
その考えはとても危険です。安全第一、“入道雲を見かけたら安全な場所に”ということを、日頃から家族で話し合っておいてくださいね。
回答者 | 田中省吾さん 和歌山地方気象台の技官で、日本南極地域観測隊の元隊員 |
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