家財は想像以上に大きな財産
シリーズで届けている「住まいにまつわるお金の基礎知識」。前回に引き続き、独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)会社「アドバンス・コミュニケーションズ」(和歌山市十二番丁)の代表でFPの秋山裕材(ひろき)さんが、火災保険について解説します。
「一戸建てを新築した人は、たいてい火災保険に加入されますが、意外と知られていないのが、火災保険にも契約プランがあるということ。補償範囲が『建物と家財』『建物だけ』『家財だけ』と必要に応じて選べます」と秋山さん。といっても、「家財」まで補償をつける人は、火災保険加入者の3~4割程度といったところだそうで、「予期せぬ出来事に備えるためには、『家財保険』にもぜひとも入っておいてほしい。家財は大きな財産です」と強調します。
建物は、“購入価格”が明確なため、その価値が算出しやすいのに対し、“お宅の家財の総額は?”と尋ねられて答えられますか。家財とは、家具や家電製品だけでなく、衣類や玩具、身の回り品も含まれます。
「例えば、台風で浸水被害に遭ったとします。壁や床などの修繕は、建物の補償範囲ですが、水につかった家電、じゅうたん、洋服などは家財の補償をつけていなければ、保険金は支払われません」。被災地で家主やボランティアの人たちが、家の中から土砂を撤去している光景を目にしたことがあるかと思いますが、わが家があの状況になったとき…、と考えると怖いですよね。
一方、プランによっては、「子どもがおもちゃを投げてガラスが割れた」「液晶テレビをテレビ台から誤って落として壊した」など、日常で起こる不測かつ突発的な事故も補償対象に。「こういっては何ですが…、補償内容を理解している人が本当に少ない。健康診断、車検と同じように、火災保険の補償も定期的に確認してほしいんですよね。生命保険もですけど…」とくぎを刺します。
また、家財保険については、現在、賃貸住宅に住んでいる人にも警告が。「入居時に仲介会社を通じて『家財保険』に加入したと思いますが、契約は更新していますか? もしもあなたが火災の火元となった場合、家主への賠償責任が発生します。ご注意ください」と。
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