2020年のテレビ
世帯からコアの時代へ
昨年から、会議でにわかに出てきたキーワード「コア層」。これは13歳から49歳までの層を示すものだ。消費の中心であるファミリー層、ブームを作る若者層、ここにスポンサーが注目しているとあって、各局が重視している。特に日テレ系は、今やコア視聴率を社内に大きく掲載。シニア向けの健康番組や時代劇が日テレ系に少ないのも、その影響だ。が、テレ朝系は違う。「ドクターX」「相棒」「緊急取締室」などテレ朝ドラマの視聴者の大半がシニア。世帯視聴率では、他局ドラマを圧倒し、15%前後をキープしている。その理由は、各ドラマとも続編を作っているということ。昼に前編の再放送をし、夜に新シーズンを放送。視聴習慣を定着させ、好循環を生み出している。しかも、どれも1話完結なので、途中から参入しやすい。が、テレ朝の広告収入は、大きく減っているのが実情。ちなみに、日テレは、さほど減っていない。テレビへの愛があるシニア層よりもコア層って、どやねん!と思うが、愛より金なのだ。ちなみに、ある統計によると、今どきの若者も、愛より金なんだとか。シビアなのね。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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