冬を迎え、いよいよ本格的な受験シーズンに突入です。この時期は受験生はもちろん親も神経質になりがち。親子で不安やストレスと上手に向き合い、集中力の向上も期待できる「マインドフルネス」を日常に取り入れて、来る入試に備えませんか。誌面の内容を深めた講座も開催、対象は小中学生とその保護者です。興味のある人はぜひ参加を。
親子で一緒に心と脳をトレーニング
家庭で行うマインドフルネス
「『マインドフルネス』とは、“今、この瞬間”に集中している状態を指します。過去や未来にとらわれず、目の前にあることに意識を向けます」と話すのは、マインドフルネスインストラクターの谷本由紀さんです。「“今、この瞬間”に集中すると、物事を客観的に見ることができ、解決が必要であればその問題に取り組みやすくなります」 しかし、親も子も受験に関わっている間は、いつでもマインドフルネスの状態でいることは難しいもの。例えば、子どもが過去のテストの失敗や後悔、入試など未来に続く悩みにとらわれて、何も手に付かない。そんな姿を見て、「悩んでいるより、勉強に取り掛かった方がいいのに」とつい声を荒げてしまい、子どものやる気をそぐ、なんて悪循環に陥ることも。
まずは親子で一緒に、左の項目の確認を。チェックが多いほど、受験による不安やストレスで、心に疲労がたまっているかもしれません。
「嫌なことや不安なことについて考えるのをやめて、自分自身を客観的に見たり、受け入れたりすることができるように、心をフラットな状態に戻すことが必要です」と谷本さん。そのトレーニングの一つに、『マインドフルネス瞑想(めいそう)』があります。
「瞑想というと宗教的なイメージを持つ人がいるかもしれませんが、マインドフルネス瞑想は雑念を取り払う心と脳のエクササイズ。“今、ここ、この瞬間に集中している”という状態を作り出し、『私はこんなふうに感じている』ということに気付くことが大切です」と谷本さんは解説。
家庭でできる瞑想トレーニングで
自己コントロール力を身に付ける
「例えば、瞑想中に受験に対する焦りから、『もっと早く勉強しておけば』と思うのは、今、この瞬間に集中していません。でも『考えちゃいけない』と否定するのではなく、『私はこのことが今、気になっているんだ』と、“考えたこと”を認めることに注目。そして、“考えたこと”に対して結論を出すのではなく、考えた事実だけを受け入れて、集中することに戻るようにします」と谷本さん。
「マインドフルネス瞑想は浮かんでくる雑念を取り払うトレーニングになるので、集中力をアップさせる」とも話します。また、一つの事柄を多方面から見られるようになるため、創造力が豊かになり、イライラを抑えるなど感情のコントロールもしやすくなるといわれているそう。「子どもだけじゃなく、親も一緒に瞑想することで、家庭が落ち着いた雰囲気になり、勉強がしやすい環境が保たれるのではないでしょうか」
家庭でマインドフルネスを上手に取り入れるコツは、「親は、子ども自身やその状態を観察して話し掛け、子どもが話すのを聞いてあげること。瞑想をして、気持ちを落ち着かせてから話すのもいいですね」。こうしたトレーニングを重ねることで、常にマインドフルネスな状態でいることを目指します。
和歌山リビング新聞社が運営する「リビングカルチャー倶楽部」で、谷本さんによる「集中力アップ 親子でマインドフルネス1日講座」を企画しました(左記参照)。ぜひこの機会に、親子で参加してみてください。
■谷本由紀さん プロフィル
リビングカルチャー倶楽部講師。日本メンタルヘルス協会の公認心理カウンセラー。関西マインドフルネス協会インストラクター。各地でマインドフルネスのワークショップを行うなど活躍中。和歌山県出身。
親子でマインドフルネス瞑想
(1)椅子に浅く腰掛け、足を軽く開いて、リラックスして座る
(2)手のひらを上にして膝の上に置く。両方の足の裏は床に着け、床の感触を足の裏で確かめる
(3)背筋をピンと伸ばす
(4)呼吸は、鼻から吸って、鼻(または口)から吐き、腹式呼吸を心掛ける
(5)目をつぶり、呼吸に集中する。吐くときに心の中で、「いーち、にーい」と息を数える
日程 | 12月14日(土)午前10時半~正午 |
講師 | 谷本由紀さん |
定員 | 20人(最少開講人員2人) |
受講料 | 2200円(親子参加でも一人参加でも同料金) 資料代200円 |
備考 | ※体を締め付けないラフな服装で参加を。瞑想時に少し足を開いて座るため、パンツスタイルがおすすめ |
申し込み 問い合わせ | tel.073(421)4411 リビングカルチャー倶楽部フォルテ教室 (月~土曜午前10時~午後6時半、日曜と祝日は休業) |