読者から質問を募り、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さんに答えてもらうシリーズは今回が最終回。永遠のテーマともいえる「賃貸VS持ち家」の生涯コストについて、具体的な数字を提示しながら教えてくれました。
結論から言うと、賃貸も持ち家も生涯コストはほぼ同じ。参考までにざっと試算してみます。一例として、結婚して30歳で家を建てる、借りると考え、日本人の平均寿命より少し短め、80歳まで生きると仮定します。
まずは、持ち家から。和歌山だと新築一戸建て(土地・建物)で3000万円前後が一般的な価格とされているので、それを35年ローンで借り入れるとします。木造住宅の耐用年数は平均30年といわれていますから、ローン完済前後でリフォームの時期を迎えますよね。その際、屋根や外壁、水回りをやり替えるとして、500万円。他に、毎年15万円程度の固定資産税も必要で、50年間で約750万円(軽減措置は含まず計算)。これらを足すと4250万円。分譲マンションだと、購入費はもう少し安いかもしれませんが、別途修繕・積み立て費がかかります。
一方、賃貸だと、和歌山の平均家賃6万5000円×12カ月で78万円。それを50年間払い続けると3900万円。敷金・礼金を仮に50万円だとして3950万円ですが、半世紀も同じ賃貸住宅に住み続けるとは考えにくいですから、移るたびに引っ越し費用と敷金・礼金が必要です。
費用に関してはそう大差はありませんが、持ち家だと、土地はそれほど資産価値が下がらず子どもに残せますし、賃貸は、状況に応じて環境を変えられ、設備の修繕などは持ち主が負担してくれるというメリットがあります。それぞれの住まい方でよく考えてください。
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