生活に必要な「立つ」「座る」など、動きの学習
「シンプルラーニング」
自分に合った動かし方を身に付けよう
生活の中で行う「立つ」「座る」などの動作。自分のくせに気付き、より楽な動き方を学ぶ「シンプルラーニング」。どのような学習なのか、取材しました。
自分の体に意識を向けることが大切
若い頃は楽に体を動かせていても、年を重ねると動かしにくいと感じる部分が出てきます。
床に寝転がると、「ダラーンと体の力を抜いてください。後頭部は右と左、どちらに傾いていますか」「右手と左手ではどちらが上げやすいですか」「床と首の隙き間はありますか」など、細かな質問。改めてじっくりと自分の動きを考えてみると、「ん?」と分からなくなることも…。
「正解、不正解はありません。自分の体に意識を向けてもらうのが目的。そのため、自分の体について知ることから始めます」と話すのは、「和歌山ケアとふれあい研究所」の所長で社会福祉士の北口隆さん。和歌山県内で唯一「シンプルラーニング協会」の認定教師の資格を持っており、“みんなで動きの学習ができる場をつくりたい”と、約6年前に同研究所を立ち上げました。
「シンプルラーニング」とは、人間が本来持っている自ら学び、変化する力に着目した動きの学習のこと。「立つ」「座る」「寝返る」「起き上がる」といった日常生活に必要な動きに焦点を当て、簡単な動き、また、複雑な動きについてもどうすれば今より楽にできるかを感じ、その動きを学習していきます。マニュアルも訓練もありません。
北口さんは「まずは自分の体がどのような状態か、楽な動き、そうでない動きに気付くことが大事。普段からの習慣で体が緊張の強い状態に戻ることもありますが、徐々に緊張のゆるみが体になじむようになってきます。自分の体に意識を向けてみましょう」とアドバイスします。
自分では気付けない姿勢や動きのくせもあります。教室では基本、2人1組になり、「右肩が上がっている」「膝が曲がっている」など、お互いに気付いたことを伝え合います。そして、シンプルラーニングの意味や内容を理解し、体験を通して学習を進めていきます。
北口さんは「力が入っていると、筋肉が緊張して体がガチガチになり、動かしにくくなります。そんなときは深呼吸を。力を入れた状態で動かすとうまくいかないことの方が多いですよ」と忠告。その上で、「少しでも“楽に動けた”と感じられるよう、自分に合った動き方はもちろん、相手への接し方も身に付けてもらえれば」と話しています。
シンプルラーニングについてはホームページ「和歌山ケアとふれあい研究所」でも確認できます。また、11月9日(土)に「1日講座」を開きます。
「シンプルラーニング1日講座」
日時 | 11月9日(土)午後1時~3時 |
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会場 | リビングカルチャー倶楽部フォルテ教室(和歌山市本町) |
講師 | 北口隆(和歌山ケアとふれあい研究所) |
対象 | 大人 |
受講 | 2200円 ※ワークブックの配布あり |
持ち物 | 飲み物、タオル、筆記用具、動きやすい服装で参加を |
定員 | 12人 |
最少開講人数 | 4人 |
申し込み・問い合わせ | 073(421)4411リビングカルチャー倶楽部フォルテ教室 (受け付けは午前10時~午後6時半 ※日曜、祝日除く) ※北口さんによる「触れる授業」が近日開講予定 |
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