伝わる英語 発音力を身に付けよう

 来年度から実施される大学入試に、いよいよ「大学入学共通テスト」が導入されます。英語では、「聞く」「読む」「話す」「書く」の“4技能”が評価されます。そして、現在の国際社会で必要なことは“伝わる英語”。その基礎となる会話力を、英単語の発音から考えてみましょう。

「聞く」「読む」に加えて「話す」「書く」
4技能を総合的に身に付け“使える英語”を

いよいよ来年度に行われる大学入試に、「大学入試センター試験」に代わって「大学入学共通テスト」が導入されます。

中でも英語では、これまでの「聞く」「読む」ことに加え、「話す」「書く」ことも含めた総合的な4つの技能が身に付いているかどうかが評価されることに。そのため活用されるようになるのが、民間事業者などにより広く実施されている資格や検定試験。例えば、ケンブリッジ英語検定や、新方式で実施される実用英語技能検定(英検)、TOEIC(トイック)L&R(リスニング&リーディング)、TOEIC・S&W(スピーキング&ライティング)などが活用されることになります。

さらに、国際社会で活躍できる人材として必要とされるのは、実際に“使える英語”が身に付いていること。大学入試改革に引き続き行われる、高校の教育課程の見直し(2022年度に新学習指導要領実施)でも、「聞く」「読む」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」の4技能の5領域を総合的に充実させることを目標に掲げていますが、それぞれの技能を関連させ、統合させた学びや体験が、今後ますます必要になってくるのではないでしょうか。

そんな中、どうしても日本人が弱いとされている“スピーキング”。使える英語を身に付けるには、“話せる”ことは大切な要素です。その基礎となる「発音」について、考えてみたいと思います。

“伝わる”うれしさが自信に
積極的な学びにつながる“話せる力”

 英語を学んできたはずの私たち親世代にも、英語には自信がある! という人は少ないのではないですか? それは、なぜでしょう。英語でコミュニケーションを取るには、実は“発音”がとても大切。「英語発音検定EP‐Prоプロ)」を開発・運営する「Triple(トリプル)C協会」の代表理事・菅沼直子さんに、話を聞きました。

英語の発音の基礎となる
“フォニックス”を身に付けよう

通訳や翻訳、企業向けの英語研修、また英文のコピーライティングなどを手掛ける菅沼直子さんは、英語の発音の能力を測る「英語発音技能検定EP‐Prо」を開発。同検定を運営する一般社団法人として「TripleC協会」を立ち上げ、代表理事を務めています。

「英語を話すことに苦手意識のある人は、『とっさに言葉が出てこない』とか、『文法が間違ってるんじゃないか』とか、『どうせ話しても通じない』って不安に思っている人が多いと思います。一方で、よく“ボディーランゲージ”といわれるように、身振り手振りのジェスチャーを交えて片言で話せば通じることもあって、だけど、やっぱり相手の英語がはっきりと聞き取れなくて困ってしまうというシーンも多々あります」と話す菅沼さん。英語で円滑にコミュニケーションをするには、“話す”能力と“聞く”能力が必要になります。

「そこで役に立つのが“フォニックス”です」と菅沼さん。「A、B、Cのアルファベットには、“エー”“ビー”“シー”という名前がありますが、それぞれに発音のルールがあります。日本語に「あいうえお」「かきくけこ」の五十音の読み方があるように、英語では、アルファベットそれぞれに音の出し方の決まりがあるんです。その特有の音の出し方を身に付けることが英語の発音力に結び付きます」

アルファベットはA~Zまで26文字。そのうちの「A・E・I・O・U」の5文字が母音で、そのほかの21文字はすべて子音。つまり、子音だけの音がたくさん存在します。一方、日本語は「かka」「きki」「くku」「けke」「こko」などのように、「あいうえお」と「ん」以外は、すべて「子音+母音」の組み合わせで発音します。「英語を発音する上で、子音だけの音を出すことと、母音を表す文字は5文字ですが、発音の種類は日本語の4~5倍はあります。その違いを知ることが、とても重要になります」と、菅沼さんは解説します。

発音できることは聞き取る力にも
英語を学ぶ意欲につなげて

「こうして話すと、とても難しそうに思うかもしれませんが、私たち日本人が、日本語の発音を幼いころに身に付けるように、英語圏の人たちも、子どものころにはフォニックスを身に付けます。だから、実はとても簡単なこと。英語を学び始めた小学生でも、そのルールを知って発音の方法を身に付けることでフォニックスを理解し、発音力を習得することができるんです」とも。

さらに菅沼さんは、「伝わる発音力を身に付けることは、スピーキング力につながることはもちろん、リスニング力にも結び付くんです。英語を話すことが苦手な人は、実は英語を聞き取ることも苦手な人が多い。例えば、onやat、inなどの短い単語は、その前後の単語とくっついてしまって、何を言っているのか分からないことが多いのですが、自分自身の発音力を磨くと、こうした短い単語も耳に入ってくるようになります」とのこと。

伝わる英語を話せることは自信になり、相手が話していることを聞き取れることが、さらに英語への興味や関心を引き出し、学ぶ意欲にも。「フォニックスで発音力を磨くことが、英語の深い学びの入り口になると思います」と菅沼さん。

そんな英語の学びの礎になる“発音能力”について提示できるような資格があればと、菅沼さんが構築したのが「英語発音技能検定EP‐Prо」。さらに、英語を学び始めた子どもたちでも、フォニックスを学ぶきっかけになり、その力を測れるようにと「英語発音技能測定テストEP‐Jr(ジュニア)」も開発。こちらは合否を判定するものではなく、子どもたちが無理なくモチベ―ションを保ちながら“きちんと通じる発音”を上達させられるよう、その力を客観的に測定し、習熟度に合わせて認定カードが発行されます。

セクションをクリアするともらえる認定カード

菅沼さんによる、フォニックスを身に付けるための講座がリビングカルチャー倶楽部で開講します。レッスンでどんな力が身に付いていくのか、保護者も一緒に参加できる事前体験会も実施。興味をもった保護者には、大人向けのレッスンも。まずは、子どもと一緒に体験会に参加してみませんか。

菅沼直子さん(リビングカルチャー倶楽部講師)
幼少時をアメリカで過ごし、語学力を生かして起業。英語・英会話教師や通訳、翻訳など英語に携わる数々の仕事を手掛けています


驚きの合格率!!生徒・保護者・塾の努力の結晶です。

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子育てママ応援スペシャルちゃあるず2019年3月16日号

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