知っておきたい住宅の基礎知識~構造・工法編③~
2×4工法(木造枠組み壁工法)のメリットとデメリット
高気密、高断熱で大地震で耐震も立証
今回は、2×4工法のお話。解説してくれるのは、2×6工法を専門とするリクシルグループの「GLホーム和歌山店」(和歌山市川辺)店長の天堀充信さんです。
「日本の木造家屋は、木造軸組み工法が主流ですが、世界では2×4工法が標準。19世紀に北米で生まれ、日本には45年ほど前に入ってきました。木造軸組みは、柱や梁(はり)、筋交いで建物を支えるのに対し、2×4は床、壁、天井で躯体(くたい)を支え、木造枠組み壁工法と呼ばれます」と説明。さらに、「2×4といわれるのは、使用する角材が2インチ×4インチだから。今は、より断熱性能が高められる2インチ×6インチが増えてきています」と。
では、2×4のメリットとは? 「他の構造と比べると、気密性が高く、断熱性能に優れています」と強調。同じ木造でも軸組みは「線構造」、2×4は「面構造」なので、気密性を確保できるのは想像できますよね? また、鉄より木材の方が熱伝導率が低く、冬の寒気、夏の暖気の影響を受けにくい住空間が生まれます。「その他、耐震性、耐火性という点で、2×4を選ばれる方もいらっしゃいます。阪神・淡路大震災、熊本地震で被害が少なかったことが立証されていて、近年、住宅着工件数が減少する中、2×4のシェアは伸び続けています」と天堀さん。国内ではまだまだ新しい工法のため、厳しい仕様規定が設けられていて、一定の品質が保たれています。
一方、デメリットを尋ねると、「まず、専門に手掛けているメーカーが少ないことでしょうか。あとは、ある一定の間隔で壁は必要なので、鉄骨造のような大開口をとるには無理があります。よく『リフォームがしにくいの?』と聞かれますが、それは他と同じ。構造上必要な柱が抜けないのと一緒で、壁は抜けません。それを判断できる職人がまだまだ少ないのが現状です」とのことでした。
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