視聴率にだってある
“旬の季節”とは!?
ついに寒い冬になってしまった。といってもこれは、土日や夕方の番組の制作者だけの冬だ。もちろん世間は春。桜を眺めたり、ピクニックに行ったりと、テレビなんか見ている暇はない。なので、春になれば如実に視聴率が低下するのだ。また、相撲や野球などのスポーツ中継もあるから、たまったものじゃない。晴れた春の日なんて、在宅率も低いので、世間はほっこりだが、テレビ制作者は震える。例えば、僕が担当している某番組は冬と比べて、春は2%近く数字が落ち込む。関西地区の個人視聴率だと1%が15万人だから、およそ30万人も見てないことになるのだ。特に、夕方や土日枠の番組は影響を受けやすい。例えば、晴れた日の土曜で、裏は相撲や阪神戦の中継などあれば、気持ちはシベリアよりも極寒になる。地球温暖化で今後、冬がなくなり、亜熱帯気候になる、なんて主張する学者もいるから末恐ろしいが、僕たちは…? ちなみに、年中が亜熱帯のタイでも、年々テレビ広告の収入が減っている。日本の行く末を見ているようだ。仮にそうなれば、年中、極寒の地で番組作りをするだろう。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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