11月22日は「いい夫婦の日」夫婦の数だけ多様な幸せ
- 2018/11/15
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11月22日は「いい夫婦の日」。コミュニケーションが苦手とされている日本人。普段から、お互いに感謝の気持ちを伝えていますか。すてきな夫婦の話を聞いて、理想の夫婦のカタチを考えてみましょう。
社会の変化を背景に多様化する夫婦像
二人の時間と、程よい距離とは
「いい夫婦の日」は、余暇の推進を目的に、1985年に国の経済対策会議で、11月をゆとりの創造月間として提唱されたことに始まります。88年には「余暇開発センター(現・日本生産性本部内)」が、夫婦で余暇を楽しむ生活スタイルを提案。語呂合わせで「いい・ふうふ」となることから、11月22日が記念日になりました。
現在は、記念日に合わせて、各地でイベントやキャンペーンが展開されている他、“いい夫婦でいられるように”という願いを込めて、この日に入籍するカップルも少なくありません。
少子高齢化、核家族、女性の社会進出など、時代や社会の変化を背景に、夫婦のカタチも多様化しています。
しかし、いつの時代も自分が選んだ相手とはいえ、他人だった者同士が一緒に暮らし始めると、お互い思うようにいかないことも…。
夫婦のカタチは人それぞれ。夫婦の数だけ、異なる幸せがあります。「おしどり夫婦」という言葉がありますが、そういわれている夫婦は、二人でどんな時間を過ごし、そして程よい距離を保っているのでしょうか。
周囲から「仲良し」と言われている、 国際結婚、同じ趣味、二人の夢を実現、同業者、脱サラして二人で幼稚園を運営、といった、和歌山在住の5組の夫婦を紹介。円満のヒケツや家庭のルールなどについて話を聞きました。
円満のヒケツを聞きました!
世間の夫婦って?
出典=「いい夫婦の日」をすすめる会2018年夫婦に関するアンケートより
出会いは静香さんがワーキングホリデーで訪れていたニュージーランド。仕事の関係で、ジョンさんがたびたび来日していたことから2016年、日本へ移住することに。ニュージーランドでは生活の一部として、釣りやサーフィンを楽しんでいたこともあり、「海とともに生活がしたい」、と昨年、和歌山市内で海が一望できる高台の住宅を購入。“海の家”と名付け、自分たちでリノベーションをしながら、暮らしています。日々の生活について静香さんは「家事は全て私が引き受け、夫がいつもハッピーでいられるように心掛けています」と言うと、ジョンさんは「力仕事や害虫の退治は私の役割。お互い支え合っています」と笑顔。二人の夢はヨットで世界一周をすることだそうです。
うちのルールできないではなく、どうやったらできるかを考える
円満のヒケツお互いの長所を伸ばし、短所を補い合う
「体育会系(夫)と文化系(妻)で正反対のタイプです」と話す二人の共通の趣味は“写真”。でも最初はそれぞれ目的が異なり、仁さんは勤務先の小学校行事の記録用、まゆみさんはお手製のアクセサリーを発信するためのものでした。あるとき、コンテストに写真を応募し始めたまゆみさんが「あなたもやってみたら?」と声を掛けたことが転機に。大好きな旅行は撮影旅行へと変わり、趣味も一緒に。仁さんが「ささいなことでも笑えるのが一番。気楽に」と言うと、まゆみさんは「なりすぎないように」とやんわりと逆をつき、目を細めます。まゆみさんはおととし、仁さんは昨年、和歌山県美術展覧会の写真部門で最優秀賞を受賞。良きライバルとして、お互いのカメラの腕を高め合っています。
うちのルール自分がされて嫌なことは相手にもしない
円満のヒケツいつも相手への思いやりを忘れない
独学で趣味のギター作りを楽しんでいた和哉さんと、料理好きで自分のカフェを夢みていた三須珠さん。2016年、和哉さんの退職を機に、ギター製作・修理の工房「暗中模索」を併設したカフェ「天手古舞(てんてこまい)」を開きました。普段は“家事は自分のペースで”という三須珠さんの希望で和哉さんはノータッチ。でもカフェでは、揚げ物やドリンクを担当し、腕を振るいます。自宅から店までの行き帰りはいつも一緒。元々、お互いに干渉しない仲としつつも、三須珠さんの「夫が先に帰ったとき、寂しいと感じました」の言葉に、和哉さんは照れ笑い。週末はライブも開かれてにぎやか。「店をしなかったら出会えませんでした」と、多くの仲間に囲まれ、日々過ごしています。
うちのルール“権威”は持たず、たわいないことも言える空気感
円満のヒケツけんかをしてもその日のうちに解決。長引かせない
「スプラウトスポーツクラブ和歌山」のマネージャーでサッカー指導者の正俊さんと、アスレティックトレーナーの由佳さん。1年違いで同じスポーツ関連の専門学校を卒業後、母校(中学校)での名刺交換がきっかけで交際、結婚。それぞれコーチ、トレーナーという立場で、子どもから高齢者まで、体を動かす楽しさを伝え、スポーツの裾野を広げる活動を行っています。「好きなことを“仕事”にしている私たち。夫はよき理解者であり、相談相手」と由佳さん。正俊さんは、「僕たちが学んできたスポーツに関する専門的な知識は、和歌山ではまだまだ一般的ではありません。夫婦で“変わり者”ですが、各年代に応じた専門的な知識を選手やその家族に伝え続けていきたい」と思いを語ります。
うちのルール大人も子どもも自分のことは自分でやる
円満のヒケツ二人が同じように子育てに関わり、家族で笑う
園舎をもたず、自然の中で保育を行う「めぐみと森のようちえん」を運営する大倫さんと匡子さん。10年前、学童保育の現場で二人は出会いました。結婚し、大倫さんはサラリーマン、匡子さんは専業主婦に。でも、匡子さんは孤独な育児に悩み、大倫さんもやりたい事がかなわず職を転々と。気持ちはすれ違うばかりでしたが、匡子さんは子育ての環境を考えたいとコーチングを生かしたオランダ教育を学びます。そして「子どもが幸せに育つには、親が幸せでないと」。そう感じたとき、自分を大切にし、大倫さんともしっかり向き合えるように。子どもが主体性をもって育つ場を作りたいと、和歌山市で森のようちえんを開園。これまでの経験から夫婦の関係を考えるワークショップも行っています。
うちのルール違和感をないがしろにせず、伝え合い、受け止める
円満のヒケツ納得できるまでしゃべる。次の日に持ち越さない