第10回 寒川祭 〜4人立ちの獅子〜
- 2018/10/25
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道中、王仁と和仁が獅子を先導
かつては日高地方で冬の訪れを告げる祭りともいわれていた寒川神社(日高川町寒川)の「寒川祭」。一般的に祭りにつきものとされる酒を、役者も参拝者も祭儀の間は飲んではいけないという決まりがあり、260年続く今も守られています。
昭和時代、林業やシイタケの栽培で栄えた地域で、ピーク時より人口が4分の1ほどに減ってはいるものの、経験者が指導員となり、若者に太鼓の打ち方や獅子の動き方などを継いでいます。
寒川祭の特徴は4人立ちの獅子舞。てんぐの面をつけた「王仁(おに)」と、鬼の面をつけた「和仁(わに)」の先導でお旅所までの道中、神楽を舞いながら勇壮に練り歩きます。寒川祭保存会の会長・奥村昌弘さんは「今は王仁と和仁が獅子を先導していますが、以前は王仁が獅子を先導する花形、和仁は頭のこぶを子どもたちにからかわれ、追いかけ回るといった脇役でした。とてもにぎやかでしたよ」と懐かしみます。
お旅所では神事の後、獅子舞の「剣の舞」と「鈴の舞」を奉納。剣や鈴、獅子の足先に付けられた五色の花飾りが動く度に揺れて舞いに華を添えます。奥村さんは「獅子舞の先頭の人が剣や鈴を持ち、2番目の人が獅子頭を持つ舞いは他ではなかなか見ることができません。ダイナミックな動きと、ぴったりと合った4人の足の動き、とても見応えがあります」と、手や足さばきを真似て見せます。
本来、祭りは3日間行われ、最終日を“裏祭り”と呼び、お多福が登場しました(今は2日間、本宮で)。お多福はおはやしの曲調によって獅子の幕あいから姿を現し、道化師のように身振り手振りで見物客を笑わせます。お多福役の経験者でもある奥村さんは「どうやって笑わそうかと、はやっていたツイストを入れました。時代に合わせた笑いのポイントをつかむのが大切やね」と笑い、「継いでくれている若い人は貴重な存在です」と力を込めました。
次回は12月号を予定(続く)。
【祭り情報】寒川神社(日高川町寒川)
宵宮
開催日 | 11月2日(金)13:30~15:30 |
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スケジュール | 渡御行列、獅子舞 |
本宮
開催日 | 11月3日(土)13:00~16:00 |
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スケジュール | 渡御行列、獅子舞 |
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