STOP!あおり運転 もしもトラブルに巻き込まれたら

リビング和歌山7月28日号

 高速道路を利用するような遠出をするときは特に、「あおり運転」に注意。被害に遭わないようにするにはどうするべきか、万が一トラブルに巻き込まれそうになったときの対処方法などを事前に考えておきませんか。

お出掛けが増える夏
外出前に気をつけるべきことは

太陽が輝く夏。帰省やレジャーなど、車でのお出掛けが多くなる季節です。外出する人が増え、交通量が増加するとともに、事故に遭う可能性も高くなります。今回取り上げるのは、昨年6月、神奈川県の東名高速で起きた交通事故をきっかけに、社会問題化した「あおり運転」。和歌山県警察本部交通部交通企画課次席の小林進さんに詳しく聞きました。

あおり運転とは、特定の車両に対して、意図的に嫌がらせを行う危険行為のこと。車間距離を異常につめたり、幅寄せや無理な割り込み、急ブレーキをかけて他の車の運転を妨害するなど、重大な事故につながる危険性があります。和歌山県内では、あおり運転による大きな事故は起きていませんが、いつ交通トラブルに巻き込まれるかは、予測できません。普段から交通安全を意識しておくこと、あおり運転について知っておくことが大切です。

もしもあおり運転の被害を受けた場合どのように対処するべきか、被害を受けないために事前にできることなどを紹介。楽しいお出掛けの前に、今一度、交通ルールやマナーについて、家族みんなで話し合ってみませんか。

危険運転から逃れる方法は?

交通ルール・マナーを守ることが事故やトラブル回避に

「あおり運転」は、単なる嫌がらせではなく、犯罪行為です。危険な運転をするドライバーは、厳重に処分されます。たとえ事故を引き起こさなくても、「暴行罪」が適用され、懲役や罰金が科せられることも。道路交通法における違反行為も同様です。被害を受けたときは、トラブルを増大させないためにも、下記を参考に、冷静に対処することが大切。

また、運転者に“あおる”意図がなくても、無意識に車間距離をつめていたり、ウインカーを出すのが遅かったり、ハイビームのまま運転していたりと、他車の運転者に不快感を与えている場合が。小林さんは「基本的には、交通ルール、マナーを守って運転することを心掛けてください」と話します。相手の立場になり、思いやり、ゆずりあいの心を持って運転することが、トラブル回避につながります。

「和歌山県警察は、あおり運転撲滅のため、違反の取り締りはもちろん、サービスエリアでの啓発活動などを積極的に行っていきます」と小林さん。和歌山県警察本部交通部交通企画課は、今年4月、Instagram(インスタグラム)の公式アカウントを開設。交通安全に関する情報や、啓発活動の様子などを随時発信しています。気軽に交通安全についての情報を閲覧できるので、ぜひフォローしてみて。

夏の楽しいお出掛け、交通ルールを守り、安全確認を徹底した運転で満喫してくださいね。

 

他の車に異常接近するなどして、嫌がらせをする行為。トラブルや重大な事故につながる危険性があります。

  • 異常接近して追い立てる(車間距離不保持)
  • 急に割り込む(進路変更禁止違反)
  • クラクションやハイビームで威嚇(警音器使用制限違反、減光等義務違反)
  • 不必要に急ブレーキをかける(急ブレーキ禁止違反)
  • 左側から追い越す(追い越し違反)
  • 幅寄せをする(安全運転義務違反、初心運転者等保護義務違反)

 

★無理に逃げようとせず、道をゆずりましょう
あおり運転をされたとき、相手を引き離そうとして無理に逃げようとしたり、スピードを上げたりすることは禁物です。挑発に乗らず、道をゆずって先に行かせるようにして、相手にしないようにしてください。張り合うような行為をすると、相手の行動がエスカレートして、危険が増す可能性があります。また、車線上に止まったりすると、後続車に衝突される危険性も。
★あおり行為を撮影する
危険行為を撮影することで、証拠を残すことに。ただし、運転者が撮影することは危険なので、同乗者が撮影を。同乗者がいない場合は、ドライブレコーダーでの撮影や、相手の車種や車両ナンバー、進行方向を覚えるなどの対処を。
★安全な場所に退避して110番通報
高速道路ではサービスエリアやパーキングエリア、一般道路では道路脇の安全な場所に車を停めましょう。相手が車を降りて近づいてきた場合、暴行を避けるため、ドアや窓をロック。車外に出ないようにして、ただちに110番通報を。
★感情的にならないように
相手の行動にカッとなり、「やり返してやろう」などと思うことはもってのほか。重大な事故やトラブルを回避するためにも、感情的にならないように心掛けて。
また、被害を受けた当事者でなくても、あおり運転を目撃した人は、発生した場所や、悪質・危険な運転をしている車両ナンバーや色、特徴などを110番通報しましょう。

 


ドライブレコーダーを搭載する
車の走行状況を映像で記録することができるドライブレコーダーの設置が有効です。事故が起きた場合も、直前や直後の映像データが警察の捜査に役立ちます。また、ドライブレコーダーが搭載されていると相手に知らせることで、あおり運転の抑止にもつながります。
あおり運転対策のステッカーを貼る
あおり運転を防止するため、ステッカーを貼るのも効果的です。「ドライブレコーダー搭載」「録画中」など、走行の様子を記録していることを後続車に警告するものや、「赤ちゃんが乗っています」「ゆっくり走ります」「法定速度遵守」など、安全運転を宣言するものが多数販売されています。

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