和歌山の偉人の生きざまに触れよう 墓マイラ―クイズ

リビング和歌山7月21日号

 「墓マイラー」とは、歴史上の人物や著名人の墓を巡って、故人の足跡に思いをはせる人たちのこと。10年ほど前、ゲームや映画、ドラマの影響で戦国武将に魅了された〝歴女(歴史好きの女子)〞が市民権を得、墓マイラー人口もじわじわ増えているのだとか。
さあ! 夏休み。時代を動かした和歌山の先人たちのお墓を訪ね、〝謎〞を解き明かしてみませんか。

墓問題と向き合うきっかけと
夏休みの自由研究のヒントに

『現代用語の基礎知識』(出版=自由国民社)にも登録されている〝墓マイラー〞。世界を股に掛けて巡礼してきた〝元祖墓マイラー〞こと、文芸研究家のカジポン・マルコ・残月さんが名付けたそう。

少子高齢化、核家族化などの影響で、墓離れ(墓参りに行かない、行けない)、墓守(墓の手入れをする後継)の問題が深刻化する一方で、熱心に人さまのお墓に参っている人たち…。その目的は、尊敬している先人と〝対話〞をするという人もいれば、〝ファン活動〞の一環という人もいますが、お墓に手を合わせることで、故人の功績や作品がより身近に感じられることは間違いありません。

ご先祖さまが帰ってくるお盆を前に、お墓の諸問題を考えるきっかけとなり、また、子どもの夏休みの自由研究のヒントとなればと、クイズ形式にして和歌山の偉人たちの墓碑を取り上げました。墓地や顕彰館を訪れると答えが見つかります。ただし、お墓は観光地ではありません。マナーを守って答えを見つけてください。

マナーを守って答えを見つけよう
墓マイラークイズ

Q1 今も熊楠邸で実をつける、熊楠が愛してやまなかったミカンの名は?

博物学、民俗学、植物学など、さまざまな分野で近代日本の先駆けとなった南方熊楠。常識や既成の学問に収まらない言動や行動も有名で、“奇人・変人・天才”とも。邸宅の庭は研究園そのもので、お手伝いさんは落ち葉を掃除するにも気を遣ったといわれています。

Q2 甲州武田家に先手者として仕えた祖父は誰から陣法築城を学んだ?

日本三大忍術伝書の一つ「正忍記(しょうにんき)」を記した紀州藩の軍学者・名取三十郎正澄(なとりさんじゅうろうまさずみ)。流祖である祖父の名取與市之丞正俊(よいちのじょうまさとし)は、軍師●●●●に陣法築城などを学びました。

Q3 青洲が開いた住居兼病院・医学校の名称は?

世界初の全身麻酔による乳がん摘出手術に成功した華岡青洲。その名声が広く知られると、全国から患者が押し寄せ、華岡流外科を学びたいとたくさんの入門希望者が。妻・加恵と母・於継(おつぎ)の墓も敷地内に。

Q4 瑤林院の墓碑は●●製(御廟所(ごびょうしょ)内の他の墓碑は花こう岩製)

報恩寺の御廟所には、紀州徳川家ゆかりの夫人や早世した子どもたちのお墓があります。初代藩主頼宣の正室・瑤林院は、熊本城を築いた加藤清正の娘。清正と徳川家康との取り決めで、家康の息子(頼宣)と結婚しました。

Q5 国際合気道大会が田辺市で開催されたのは何年と何年?

合気道の創始者として知られる植芝盛平。稽古を通じてお互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合い、心身を鍛錬して豊かな人間形成を目指す武道は、世界中で広く愛されるとともに発展を続け、国際合気道大会が開催されています。

Q6 紀州徳川家藩主のお墓で墓碑名が刻まれているのは●代目●●から

初代藩主・徳川頼宣が菩提寺に定めた長保寺の御廟所には、歴代藩主が眠っています(吉宗〈後の8代将軍〉と慶福〈後の14代将軍家茂〉の墓所は東京に)。江戸時代には、どこが何代藩主の廟所かということは、住職だけの秘密事項で、近在者の参拝も8月15日だけに限られていました。

Q7 京都に遊学して絵を学んだのは黄おうばくかくてい檗鶴亭、師事したのは誰?

祇園南海・桑山玉洲とともに“紀州の三大文人画家”と呼ばれている野呂介石。紀州藩に仕え、公務のかたわら画業に励み、独自の画風を築きました。「那智群山図」「和歌浦図」などがよく知られています。

Q8 武田信玄に仕えていたころに名乗っていた名前は?

3万8000人の織田信長・徳川家康連合軍と、1万5000人の武田勝頼の軍勢が戦った長篠の合戦で敗北し、兄2人が戦死。真田家を継ぐことになった昌幸は、徳川軍を2度も撃退し後世に名を残します。

 

全問正解者の中から抽選で3人に図書カード3000円分をプレゼント!

応募方法
①~⑧のクイズの答えと、〒住所、氏名、年齢、電話番号、この企画に対する感想、意見を明記の上、応募を。8月31日(金)必着。正解は9月1日号で発表します。※当選者の発表は賞品の発送をもって代えます

ハガキ 〒640-8557(住所不要)和歌山リビング新聞社「墓マイラークイズ」係
ファクス 073(428)3421
メール living@waila.or.jp

 

一般公開されているお墓であれば、自分の親族や知人ではない人のお墓にお参りすることは法的に問題ありません。しかし“観光”ではなく、あくまで故人を偲ぶところ。「命に対する尊敬の念を持って訪れて」と紀三井寺の前田泰道貫主。
●まずは手を合わせて、故人に敬意を
いきなり写真撮影は絶対にNG。故人の冥福を祈り、記念の写真撮影を許していただいてから
●痕跡を残さない
お花やお供え物は、枯れたり、カラスに荒らされたりして管理者に迷惑がかかります。お線香も“マイ線香立て”を持参して、持ち帰るのが望ましい
●自分のご先祖さまも敬って
自分の親族の墓にも参り、先祖の縁があってこの世に生を受けたことに感謝しましょう

 弘法大師が入定されている奥の院は、高野山の信仰の中心。一の橋から御廟まで約2kmの道のりには、20万基を超える諸大名の墓石や、祈念碑、慰霊碑が立ち並んでいます。名だたる武将の墓標が点在する中で、武田信玄と上杉謙信の墓が目と鼻の先にあったり、織田信長と明智光秀の墓が近くにあったり、戦国時代では考えられない“隣人関係”が見どころの一つでもあります。死後は敵・味方も、生前になした所業も関係なく、弘法大師紀三井寺貫主 前田 泰道さん の下で皆平等に眠っています。

 

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