この夏、あなたも クールチョイス
- 2018/6/28
- フロント特集
今年の夏も猛暑になる予想。夏はエアコンの稼働などで電気の使用量も増えますが、ちょっぴりエコも意識したいですよね。そんなあなたに教えたい「クールチョイス」。毎日の行動で「選択(チョイス)」すること、考えてみませんか?
イラストや文字は県内の子どもたちの“クールチョイス”の数々です。和歌山県が実施している「わかやまこどもエコチャレンジ」の取り組みから抜粋しました
「クール」は賢い、「チョイス」は選択
何につながるか、それは“財布の中身”
気象庁の発表によると、西日本の7〜9月の気温は、平年より高くなる見込み。今年もエアコンの稼働率が上がりそうですね。そうなると、電気代が気になりませんか。電気代を意識することは、環境にも配慮することにつながります。夏を控え、今週号では“ちょっぴりエコを意識”する「クールチョイス」を紹介します。
話を聞いたのは、「わかやまクールチョイス事務局」を運営する「NPOわかやま環境ネットワーク」の事務局長・臼井達也さん(写真上)。「スーパーやショッピングモールで買い物をすることは、楽しいレジャーの一つですよね。クールチョイスは“賢い選択”といって、毎日の買い物や行動など、暮らしの中の“選択”について少し意識してみようという運動です」と教えてくれました。
では、どんなことが、賢い選択なのでしょう。「例えば、暑い夏の日に、エアコンと扇風機を併用して効果的に部屋の温度を調節することや、直射日光を遮るグリーンカーテンを育てるなど…。こんな“選択”をすることで家の中に変化が生まれます。そして、それは、どんなことにつながっていくのでしょうか―。ズバリ、あなたの
『お財布の中身』です」と臼井さん。私たちの“財布”につながる環境の話を、さらに詳しく聞きました。
温暖化が進むと
私たちの暮らしはどうなる!?
“賢い選択”が私たちの財布とどのようにつながっているのでしょうか。さらに、臼井さんに聞きました。「まず、天気について、ちょっと考えてみましょう。地球の平均気温は、ここ100年余りで約1度上がりました。二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスは、太陽の熱や排出される熱を大気中にとどめる大切な働きがあります。ところが、ガソリンや石炭などの化石エネルギーを私たちが使い、燃やし続けることで、ガスの濃度が上がり続けているんです」と、臼井さんは温暖化の仕組みについて解説します。
「その結果、気温は上昇し、例えば、『北極の氷が急速に解け、生態系への影響が出ている』といったことが、よくニュースでも伝えられていますね。でも、私たちの普段の暮らしでは実感が湧かず“遠くの地域の話”に感じていませんか? 実はこの温暖化が、私たちの暮らしに直接関係しているんです」
そんな臼井さんが挙げた例が右の項目。気温が上がることで台風が大型化し、災害も多くなって、復旧にたくさんの費用がかけられることになります。また、海産物・農作物などの不漁・不作や、気温が上がることで蚊などが越冬し、疫病が広がる可能性も指摘されています。
「こう見ると、私たちの財布から、中身がどんどん出ていってしまう内容ばかり。聞き慣れた“地球温暖化”ですが、このように自分の財布と関連させて考えてみると、とても無視できないことだと実感できると思います」と、説明します。
誰もが知っている“クールチョイス”
そんな和歌山を目指して
臼井さんによると、地元和歌山でこんな話も。「ミカン農家さんから『ミカンが栽培しにくくなった』という声を聞きました。3年前、いつもの2倍の収穫量があったのに、冬の気温が高くて腐敗するミカンが多く、出荷量の割に人手の費用がかさんでしまった、というお話でした」。地球に住む人たちすべてに関わる温暖化ですが、それはつまり、私たち一人一人に関わる問題です。
「もちろん、意識している方もたくさんいます。“すでに選んでいること”も、新しいアイデアや工夫など、これからやってみようと選択することも、一つ一つが誰かの新たな気付きにつながります。クールチョイスとは、決して無理なく、今の暮らしに快適さを考えながら“選択する”というシンプルな行動。気軽に取り組んでみましょう」と、呼びかけます。
わかやまクールチョイス事務局は、この夏、「わかやまクールチョイスコンテスト」を実施。「全国的に取り組まれている“クールチョイス”ですが、私たちが住む和歌山県では、“誰に聞いてもクールチョイスを知ってるよ!”というほど認知度を高め、賛同者が全国で1位になることを目指して、独自のコンテストを企画しました」と、臼井さん。また、和歌山県が、2015年度から「わかやまこどもエコチャレンジ」を実施(左記参照)。この取り組みと連動し、家庭や職場、自治会、サークルなど、さまざまなチームでコンテストに参加できます(詳細左記参照)。もちろん、夫婦でもOK。誰かと一緒に、“クールチョイス宣言”をしませんか。
「この取り組みが県内で広がれば、環境に意識が高い県民性として、国内外から評価されます。そんな和歌山県で生まれる商品やサービスを独自の地域ブランドとしてPRしていけば、経済効果にもつながるはず」と、臼井さんは今後の構想を話します。目指すは、日本一! まずは、あなたから“賢い選択”を意識してみましょう。
- ●クールシェア
涼しい場所をみんなでシェアし、夏場の1人あたりのエアコン使用量を見直します - ●クールビズ
夏の室内温度を28度にして快適に過ごすライフスタイル(9月30日まで) - ●エコカー
- ●省エネ家電
- ●エコドライブ
- ●LEDのエコ照明
- ●グリーンカーテン
- ●エコ住宅
- ●エコバッグ
- ●7月7日クールアース・デー
7月7日午後8時~10時の2時間、全国のライトアップ施設や家庭に一斉消灯を呼び掛けるキャンペーンが実施されます
①買い物のとき
A まとめ買いで、ガソリン節約
B こまめに買って冷蔵庫を詰めすぎない
②車を運転するとき
A ふわっとアクセルを踏んでゆっくり発進
B 信号手前から早めにアクセルを離して止まる
どちらも“あなたの選択(チョイス)”です!
詳しい解説は下記ホームページへ
エピソードを大募集
- 家族やご近所さん、学校や会社などの「チーム」でエントリー
- 下記サイトにアクセスして「宣言」します
- エピソードを応募
- 選考会によるユニークな内容を紹介、表彰し、抽選ですてきなプレゼントもあります!
【エントリーはホームページから】
https://wenet.info/cc(わかやま クールチョイス で検索)
「クールチョイスのことを誰もが知っている和歌山県」として全国1位を目指します!(人口比での宣言率)
問い合わせ | わかやまクールチョイス事務局(NPOわかやま環境ネットワーク) |
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電話 | 073(499)4734 |
和歌山県が2015年度から取り組んでいる「わかやまこどもエコチャレンジ」。県内全小学校の4年生~6年生を対象に、オリジナルのリーフレット兼チャレンジシー
ト(写真)を配布し、子どもたちが主導して家庭で環境にやさしいアクションを起こすことに挑戦。「節水」や「節電」「ゴミ削減」を呼びかけるエコシールを家の中に貼り、家族と一緒に意識してエコ活動に取り組みます。その結果をシートに記入、最後にレポートを提出します。
2015年度には3867人、16年度には3872人、昨年度は過去最高の4245人の子どもたちが活動に参加。すべてのレポートが県内各所に展示されました。「子どもが率先して家庭でエコに取り組むことで、子どもから大人まで一人一人の環境意識向上につながっています」と、担当する和歌山県環境生活総務課の辻井誠さんは話しています。
今年度も夏休みまでには各小学校にシートが配布。提出されたレポートの展示も予定されています。子どもと一緒にエコチャレンジすることも、わが家の“クールチョイス”につながりますね。
エコシールを家の中に貼ることで家族も意識します
問い合わせ | 和歌山県環境生活総務課 |
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電話 | 073(441)2674 |