はばたけ! 未来のエンジニア ロボカップジュニア 和歌山大会
- 2018/2/22
- フロント特集
19歳以下の子どもたちが自作した自律ロボットの技術を競う全国大会「ロボカップジュニア・ジャパン(RCJJ)オープン2018和歌山大会」(主催=同開催委員会)が、3月31日(土)~4月1日(日)の2日間、和歌山市で開催。全国から勝ち進んだ約200チームが出場し、世界大会への切符をかけて、熱戦を繰り広げます。
プログラミングへの関心が高まり
IT化する社会で活躍する人材を
ロボカップとは、ロボットと人工知能(AI)の融合・発展のために、日本の研究者たちによってつくられた国際的な競技大会のこと。1997年に名古屋で開催された世界大会を皮切りに広がりをみせ、現在は、アメリカ、ドイツ、中国など、40カ国以上が参加しています。
大会はジュニア(19歳以下)とメジャー(年齢制限なし)で構成。ジュニアの競技は、「サッカー」「レスキュー」「オンステージ」の3種目で、子ども自身がロボットの設計・製作からプログラミングまでを行います。
これは、コンピューターに意図した動きをさせるには、どのような順番で指示を組み合わせればよいかを、子どもたちに考えさせるもので、その過程で論理的思考力や問題解決力を育て、情報技術(IT)化する社会で活躍する人材を育成するといった狙いがあります。また、チームで協力したり、他の選手たちと交流したりすることでコミュニケーション力も養われます。
プログラミングは、2020年度から小学校の授業で必須化が決まり、世間の関心が高まっています。
大会の見どころや和歌山から出場するチーム、当日のイベントなどを紹介します。
“和歌山をロボット大会の聖地に!”
“ものづくり”の楽しさを実感
全国から約200チームが集結
ロボカップは、“2050年、自律ロボットで人間のサッカーワールドカップのチャンピオンに勝つ”を掲げたユニークな国際プロジェクト。ジュニアの単独大会は2012年から始まり、2014年に運営母体となる「ロボカップジュニア・ジャパン」が設立。毎年各地持ち回りで開催しています。和歌山が開催県になるのは今回が初めてで、今後3年間継続して開かれる予定です。
大会は、県や和歌山市、和歌山商工会議所、和歌山大学、島精機製作所、ロボカップジュニア・ジャパンなど、10団体でつくるRCJJオープン2018和歌山大会開催委員会が主催。大会はもちろん、地元を盛り上げようと“和歌山をロボット大会の聖地に!”を合言葉に、地域の学校や団体といったさまざまな人と連携し、準備を進めています。
選手は、北海道から沖縄まで全国を23ブロックに分け、勝ち進んだ約200チーム(600人)が集結。優勝者は6月にカナダ・モントリオールで開かれる世界大会に出場できます。
会場内では競技の他、初心者でも楽しめる体験イベントもあり(左下参照)、2日間で延べ5000人の来場者を見込んでいます。
同大会開催委員会は「和歌山の子どもたちが、同じ世代の子どもたちによって目の前で繰り広げられるロボット競技を体験し、自分たちの可能性や“ものづくり”の楽しさを実感してもらえれば。和歌山での新産業の創出にもつながることを期待しつつ、盛り上げていきます。皆さん、来てくださいね」と話しています。
①大会の見どころ
ロボットは、選手が操縦するのではなく、起動させるだけで自動で動き出します。それぞれのロボットで動きが異なるなど、選手の技術とアイデアがいっぱい。メカに詳しい人は、サッカーロボットの車輪に注目。対戦相手やボールを感知しながらの多方向への動きを観察してみてください。
②会場内での楽しみ方
大きさなど規定はあるものの、ロボットの色や形などのデザインは、作り手によってさまざま。自分好みのロボットを探してみては。初めての人は当日のイベントに参加するなどして、事前に競技説明を聞いておくと、観戦時に楽しめます。初心者向けロボット体験教室もあるので挑戦を。
③プログラミングって
ロボットには、自動で動くためのコンピューターが付いています。いろいろな状況を想定し、「こんなときはこう動く」とコンピューターに教えるのがプログラミング。今は、子ども向けの教材がいくつもあり、和歌山でもプログラミングを学べる教室も増えてきています。
④ロボット作りのコツ
プログラムを作り始める前に“大会に出場したとき、どうやって点を取るか”など、作戦を練ることが大切。センサーやモーター、車輪などの部品を選んだり、材料の加工の仕方や道具の使い方を覚えたりする中で、腕を磨いていきます。競技実践を積みながら、調整を重ねていきましょう。
⑤大会に出場するには
毎年、和歌山ノード大会を開催。同大会はサッカーだけですが、関西ブロック大会はレスキューもあります。自分で作ったものが動くのを見ると、楽しくなります。皆さんもぜひ体験してみてください。地区予選は11月~12月に開始。和歌山ノードのホームページでお知らせします。
⑥地元選手の実力は
和歌山県には世界大会に出場した中・高校生もいます。今回も関西大会で上位の成績を残したチームが参戦。県内では「きのくにロボットフェスティバル」や「ワールドロボットオリンピアド(WRO)」などのロボット競技会や、缶サットのような技術系の競技会も盛んです。
⑦観戦するときのマナーは
ロボットに付いているセンサーをくるわせないために、カメラのフラッシュや赤外線を出すものは控えてくださいね。また、ロボット同士が電波を使って通信をすることがあるので、Wi-Fi(無線LAN)電波を止めて観戦を。柵で囲まれた空間は“パドック”という選手専用の作業場。作業は柵の外から眺めましょう。サッカーロボットは青・黄・オレンジやそれに近い色に反応します。服装の色によっては移動をお願いされることもあります。
※地区予選大会の単位を「ノード」と呼び、各地区の「ノード」が集まると「ブロック」になります
今年1月、大阪市内で開かれた関西ブロック大会で見事1位に輝き、いち早く大会への出場を決めた3チームを紹介します
サッカーライトウエイト(世界リーグ)
Antique&Rex(アンティーク&レックス)
持ち味 | 豊富な試合経験などで培った、想定外 にも対応できる調整力と冷静な判断力 |
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注目点 | キッカー(ロングシュート可能)とドリブ ラー(回転シュート可能)の華麗な動き |
意気込み | 世界のロボット製作の知識と技術を生 で見聞きしたいです。目標は世界大会 |
サッカービギナーズ(日本リーグ)
桐蔭アルキメデス
持ち味 | 攻めることを重視したプログラミング技術。 細やかな調整と粘り強さ。そして柔軟な思考力 |
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注目点 | スタートと同時に相手エリアにボール を押し込むパワー。無駄のない回り込み |
意気込み | プログラミングの調節、さらに機体 に改造を加え、優勝を目指します |
レスキュー(日本リーグ)
リトルギガント
持ち味 | 短時間でコースが回れるよう、調整する判断力。3人の知恵と活力、そして笑顔 |
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注目点 | 直角カーブをスムーズに走る性能。他に負けないスピード力で坂道も難なく進む |
意気込み | 自分たちが作ったロボットを信じて。3 人で声を掛け合って優勝します |
その他の出場チームは、【サッカービギナーズ・日本リーグ】桐蔭のこころ(県立桐蔭中1年 冷水勇之助さん、野口凌大さん)、桐蔭デコポン(同校中1年 水野晴斗さん、和田理秀さん)、桐蔭キュリオ(同校中3年 上北藍子さん、垣内春美さん)【サッカーライトウエイト・世界リーグ】桐蔭みかん(県立桐蔭中3年 藤永直樹さん、2年 赤澤元春さん、河井柾樹さん、飛田喜紀さん) ※2月19日現在
ロボカップジュニア ジャパンオープン2018 和歌山大会
3/31(土)~4/1(日)「入場無料」
場所 | 和歌山ビッグホエール(和歌山市手平) |
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日時 | 3月31日(土) |
開会式 | 午前11時~正午 |
競技 | 正午~午後5時 |
日時 | 4月1日(日) |
競技 | 午前9時~午後2時 |
表彰式・閉会式 | 午後3時~4時 |
名称 | ロボカップジュニア解説ブース |
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内容 | 地元の中高生が、大会の魅力や競技のルールなどを伝授。サッカーとレスキュー競技のデモンストレーションもあり |
日時 | 31日正午~午後6時半(予定) 1日午前9時~午後1時半(予定) |
場所 | 軽運動場 |
対象 | 幼児~大人(年齢制限なし) |
参加費 | 無料※事前申し込み不要 |
名称 | 初心者向けロボット体験教室 |
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内容 | ロボカップジュニア関西ブロックの会員が指導。プログラムを使ってロボットを動かせる体験ができます |
日時 | 31日午後1時~3時(予定) 1日午前10時~正午(予定) |
場所 | 軽運動場 |
対象 | 小学4年生~中学3年生 |
定員 | 各回30人(先着順) |
参加費 | 1000円 |
受付 | 3月11日(日)~18日(日) ※申し込み方法などはホームページで |
名称 | 大会ガイドツアー(プラス工作教室) |
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内容 | 地元の中高生によるガイドツアー。競技説明、ロボットの仕組み、学校での取り組みなどを紹介。「子ども工作教室」もあり |
日時 | 31日午後0時半~3時半 1日午前9時半~午後0時半 ※毎時0分と30分にスタート、ツアーは約30分間、工作は約15分間 |
場所 | エントランスホール・受け付け集合 |
対象 | 小中学生(工作教室は小学3年生~6年生) |
定員 | 各回10人(先着順) |
参加費 | 無料※申し込み方法などはホームページで |
競技は3種類
1チーム2台ずつの自走式ロボットが、ボールを奪い合い、ゴールに押し込む競技。選手たちは、規定のルール内で、より俊敏性を高めようと、ロボットの大きさや電力を調整しています。回路やボディーを自作したり、真横にも動ける特殊な車輪を用いたりもします
ロボットが周囲の状況を判断して、さまざまな障害を乗り越えて被災者を救出する競技。直線や曲線で描かれたラインをたどって銀色の玉(被災者)を救出するまでを競います。選手たちの技術力で、難関ミッションを一つ一つクリアしていきます
ダンスや演技などを、2分間で披露します。台数やサイズに制限がなく、人間との共演も可能。エンターテインメント性や独自性などに加え、審査員の質問に答えたり、アピールしたりするコミュニケーション力も評価基準になります
■お問合せ先
電話 | 073(435)1233 |
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お問合せ先 | RCJJオープン2018和歌山大会開催委員会(和歌山市商工振興課内) |
詳細 | RCJJオープン2018和歌山大会開催委員会のホームページ (http://www.wakayama-cci.or.jp/robocup)で確認を |