6月4日~10日は「歯と口の健康週間」
歯と口の機能を維持して生き生きと
6月4日はむし歯予防デー、さらに10日までは「歯と口の健康週間」です。この週間にちなんで、和歌山県歯科医師会の中谷譲二会長に口腔のケアについて聞きました。
「〝人は足から老いる〞といわれます。足腰が弱くなることで、老いを感じ始める人は少なくないと思います。その老いに負けないよう、ウオーキングなど足腰を鍛え続けることの大切さは誰もが認めていることですね。では〝人は口から老いる〞ということはご存じでしょうか」と、問いかける中谷会長。「これは『オーラル・フレイル』という新しい概念で、2015年度からは日本歯科医師会も予防に向けた積極的な啓発活動を展開しています」。
中谷会長によると、オーラル・フレイルは直訳すると「歯・口機能の虚弱」。虚弱に至るプロセスは一般的に足腰の話と同じく骨格筋が弱まること(加齢性筋)と考えられていますが、オーラル・フレイルはより早い段階で歯・口の機能低下に深く関係しているようです。「つまり、歯・口の健康をおろそかにすると、かむ力や舌の動きも悪くなって栄養摂取の面で支障を及ぼし、滑舌が悪くなったりすることで人との交流を避けるようになったり、家に引きこもりがちになったりして生きがいを失うきっかけにも。こうした歯・口の機能低下から始まる低栄養、身体機能の低下、社会性の低下、精神性の低下が今後注目すべき点で、虚弱化の予防に向け、〝歯・口の機能〞の重要性が問われる時代になります」とも。
では、どのようにして歯・口の健康を保てばいいのでしょうか?
「〝毎日歯磨きをしていればよい、むし歯にならなければよい、痛くなければよい〞程度に思われていたとすれば、少し考えを見直した方がよいかもしれません。2012年の厚生労働省による調査では、歯科検診の受診状況は全体で47・8%、男性よりも女性が多く、若者より高年齢者が多くなっています。約2人に1人が受診している状況を多いと見るか、少ないと見るか意見が分かれるかもしれませんが、これからの時代はこうした予防的な検診も含めて、定期的にクリーニングを行うこともお薦めしします。虚弱化を予防し、より豊かな健康長寿を実現するため、足腰のトレーニングに加えて〝歯・口の健康〞にも取り組んでいただきたいですね」と、中谷会長は話します。
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