妊娠、出産後の歯の健康管理
- 2016/9/29
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- ココロとカラダのSOS
先輩ママから「産後、歯がボロボロになった」とよく聞きますが、本当?専門医に聞きました。
Q 妊娠中は胎児に栄養をとられるので、歯が悪くなると聞きますが。
A そんなことはありません。乳歯、永久歯は、胎児のうちに元になる細胞ができ、永久歯への生え変わり時期までに摂取された栄養状態で質が決まります。一度、石灰化された歯は、密度もほぼそのままで、骨粗しょう症のようにスカスカになったりはしません。
Q では、どうして昔から言われるのですか。
A 理由は大きく分けて2つ考えられます。一つは「つわり」などで歯磨きが不十分、また、酸性度の高い吐しゃ物により歯がダメージを受けたり、歯肉炎にかかりやすいといったこと。もう一つは、産後の多忙な育児により、歯磨きができなかったり、虫歯になっても歯科を受診するのが遅れがちになるからです。
Q 妊娠中、産後の歯みがきのポイントは?
A 一度で全体を磨こうとせず、短い時間でも良いので、歯磨きを繰り返し行い、歯の表面や隙間の食べかすを取り除くようにしましょう。また、歯磨きの時間が確保できないときはうがいで対応。回数を増やし、アゴや舌を動かして、隅々までしっかりゆすぎましょう。
Q 妊娠中に歯の治療はできないのですか。
A 妊娠中もある程度の治療はできます。過度の緊張などを避けるため、妊娠初期は応急的な処置にとどめ、安定期入ってから十分な治療を行うことが多いです。母子手帳には、歯の状態をチェックするページがあるので持参してください。
取材協力 | 日本赤十字社和歌山医療センター歯科口腔外科部 |
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※次回は11月5日号
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