壊れた物に再び息吹を!おもちゃ病院
- 2016/8/18
- フロント特集
大好きなおもちゃが壊れてしまったら、どうします?諦めて捨ててしまいますか?いやいや、ちょっと待って。おもちゃを修理し、再び使えるようにする、おもちゃのための病院があるのです。
県内で唯一「はしもとおもちゃ病院」
診察報酬は子どもたちの笑顔
音が出なくなったり、動かなくなったりして壊れたままのおもちゃ。大切な思い出がつまっていて、捨てることもできず、家の片隅で眠ったままになっていませんか。
今回は、そんな使えなくなったおもちゃに、再び息を吹き込む「おもちゃドクター」を紹介。
そもそも「おもちゃドクター」とは、ボランティアで壊れたおもちゃを原則無料で修理してくれる人のことで、報酬は修理を終えたおもちゃを手にする子どもたちの笑顔。日本おもちゃ病院協会が平成8年に組織化し、会員の「おもちゃドクター」が全国各地で診療活動を展開しています。
和歌山県では唯一「はしもとおもちゃ病院」が、毎月2回、橋本市教育文化会館(同市東家)の一室で開院。
診察してもらいにくるのは、動かない自動車・新幹線、腕が取れた人形、声が出なくなったぬいぐるみなど、さまざま。診療時間内に直せる場合もあれば、次回まで預かりが必要な場合もあります。
物が豊富で、壊れたら新しい物を買う使い捨ての現代。修理を前提に作られていない物も少なくありません。でも、修理すれば使える物もたくさん。まずはおもちゃ病院へ。
「物を大切に!」の気持ち伝える
直せばまだまだ使える物も
1年で313件の修理、完治率95%
橋本市教育文化会館の一室に〝診療中〞の看板。中をのぞくと、白衣ならぬ、エプロンをかけた「おもちゃドクター」が工具片手に壊れたおもちゃの修理にあたっています。
ここは、県内で唯一のおもちゃのお医者さん。患者は、〝音が鳴らなくなった〞〝動かなくなった〞など、不具合のあるおもちゃ。
今年で8年目を迎える同院は現在、院長の柏木毅さんを筆頭に約15人のドクターが在籍。来院数は年々増加し、昨年は1年間で313件のおもちゃを修理。ドクターたちは口をそろえて「分解ができ、原因が分かれば9割は直せます」ときっぱり。完治率は95%を誇ります。
来院すると、まずカルテに壊れた時の様子などを記入してもらいます。診察後、すぐに直らないと判断した場合は〝入院治療〞として預かります。
でも、大好きなおもちゃを人に預けることは、子どもにとって勇気のいること。「来院したけれど、預けるのが嫌で泣いてしまい、直さずに持ち帰った子もいます。それだけ子どもにとってそのおもちゃが大切という証。一生懸命直してあげようと思います」と話します。
最新の物は分解に手間取り、古い物は部品の調達が難しく、悩むことも少なくありません。そんなときはみんなで知恵を出し合い解決。目を細める瞬間です。
柏木さんは、「直せばまだまだ使える物があり、捨てるのはもったいない。(活動を通して)子どもたちに物を大切にする気持ちが伝わればうれしい」と笑顔。
直ったおもちゃを抱える子どもの笑顔を見るため、ドクターたちは今日も腕を振るっています。
壊れたおもちゃを直したい
利用するときのQ&A
Q. 予約はいりますか
予約の必要はありません。定例診療日に直接訪れてください
Q. その日のうちに修理は可能ですか
預かりが必要な場合もあります。そのときは次の定例診療日に取りにきてもらうことになります
Q. 修理をお願いするとき、必要な物はありますか
割れた部品のかけらなどがあれば持参してください
Q. 修理に費用は掛かりますか
ボランティア活動なので、原則無料です。でも部品代として実費が必要な場合があります
利用するときのQ&A
電池の容量不足や接触不良、ごみ詰まり、注油・掃除不足、断線・配線不良、部品の破損・折損、組み立て・調整ミス、主要部品・電子部品の故障、取り扱いミスなど
修理できないおもちゃ
- 浮き輪など救命に関する物
- 骨董(こっとう)品などの高価な物
- エアガンなど危険なおもちゃ
- 商用電源を使う物
- ゲーム機など正常動作の確認ができない物
はしもとおもちゃ病院
定例診療日 | 毎月第2土曜、第4日曜 午前9時~12時 |
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場所 | 橋本市教育文化会館3階(同市東家) |
問い合わせ | HPの「問い合わせフォーム」から |
HP | http://www.toy-hospital.sakura.ne.jp ※電話での問い合わせ不可 |