安原小でスタジオジブリ元制作デスク・木原さん講演
アニメが伝えるメッセージ
「となりのトトロ」の現場エピソード
児童や保護者など耳を傾ける
和歌山市立安原小学校(和歌山市江南)で7日、アニメ制作会社「スタジオジブリ」の元制作デスクで作家の木原浩勝さんが、アニメ「となりのトトロ」の現場でのエピソードを交えながら、人を思いやる気持ちや自然の大切さについて講演。児童や保護者など約500人が耳を傾けました。
木原さんは、長年にわたり、スタジオジブリの代表作に携わってきました。現在、各地で日本のアニメ文化について講演する他、妖怪・怪談作家として活動しています。
講演で木原さんは、「となりのトトロ」が子どもたちに身近に感じてもらえるストーリーにしようと作られた作品で、制作には監督をはじめ、絵を描く人、撮影する人など延べ300人が関わっていたことを説明。
アニメに登場する「ネコバス」の足は12本あり、窓の数は毎回違うことや、「サツキ」と「メイ」の洋服は、「トトロの森」の緑の中でも見分けられるようにピンクとオレンジに設定されたことなど、デザイン画を見せながら話しました。
その上で「大人たちが、みんなに持ってもらいたい勇気や人に対する優しさをアニメを通して表現しています。安原は“トトロの森”と似ていい環境。自分の住んでいる地域を大切に、一つの方向に向かって進んでいける人になってもらいたいです」と伝えました。
6年1組の阪本青空さん(11)は「家に帰って話の中にあった細かなところを確かめてみたいな」、丸山真夏加さん(11)は「知らないことをたくさん教えてもらい、うれしいです」と笑顔を見せていました。
講演会は同校のPTAが主催。木原さんは今後、地域活性化に取り組む地元団体と一緒に、県内各地に伝わる話を掘り起こしていく予定。