「だ る ま さ ん が」と絵本を読めば
8カ月児もウヒャッと笑う!
保育所で『赤ずきん』のエプロンシアターを演じたときのことです。「赤ずきんちゃんとおばあさんと狩人は、幸せに暮らしました。おしまい」と結んだら、1人の男の子が「へぇー、3人で一緒に暮らしたん?」とツッコミを入れてきました。
「一緒と違うよ(赤ずきんちゃんはお母さんが待つ家へ帰るし、おばあちゃんと狩人が同棲したら、話がややこしくなるで)」と、慌てて答える始末。
日本の昔話の結末は、おじいさんとおばあさんがお金持ちになって終わりますが、外国の昔話はお金持ちになって、お姫様(王子様)と結婚して、めでたし、めでたしです。〝お金持ち=幸せ〞の図式は変わりませんが、お姫様(王子様)と結婚がプラスされます。
赤ずきんちゃんはお金持ちになれず、王子様と結婚もしませんが、悪いオオカミをやっつけることができました。でも、普通に考えたら、おばあちゃんと赤ずきんちゃんを助け出すためにオオカミのおなかを切り裂いたのに、石を入れて再び縫うなんて、面倒な話ですね。
ちなみに東京で暮らす息子が言うには、話にツッコミを入れるのは関西特有のことだそうで、東京では、大人も含め、誰も突っ込んでこないので寂しいわと。
「悪いオオカミだとは知らない赤ずきんちゃんが…」「へーッ、オオカミが悪いヤツって、みんなが知ってるで〜」。このノリの良さ、最高です。
『だるまさんが』(出版=ブロンズ新社、かがくいひろし/作)は突っ込みどころ満載の楽しい絵本です。
「だ る ま さ ん が」「どてっ」、「だ る ま さ んが」「ぷしゅーっ」、動きに合わせてクルクル変わる「だるまさん」の表情がとっても愉快。この絵本を読み聞かせたら、8カ月の赤ちゃんが声をあげて笑ったとか。「なるほど」と納得がいきます。続編の『だるまさんの』『だるまさんと』も出版されています。
笑う角には福来たる!平成28年がよい年でありますように!
名前 | なりきよ ようこ |
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プロフィル | 絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。 保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表 |
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