有料動画配信は
テレビ業界の脅威となるのか?
9月、アメリカ発世界最大のインターネット有料動画配信「ネットフリックス」が日本でサービスを開始した。これにテレビ業界は戦々恐々か、と言わればそうでもない。有料放送の先駆け「WOWOW」、「スカパー」のCMは、誰もが地上波で見たことはあるだろう。それが民放各局で何度も流されているのはなぜか。普通ならライバル局の宣伝なんて絶対に流さない。ライバルというよりも、異ジャンルのものだと捉えているからだ。実際に「WOWOW」は、民放とお金をかけるところやコンテンツも違う。
一例を挙げると、アーティストのライブ中継に、地上波ではありえない20台以上のカメラを出す。技術費はかかっているが、スタジオやVTR、MCギャラなど制作費は一切かけていない。つまり民放とは違うコア層に向けた番組だから、同じ土俵ではないという理屈。また、「ネットフリックス」は「フジテレビ」、「WOWOW」は「TBS」とタッグを組み、それぞれの長所を生かした新たな番組を生み出している。しかも、有料テレビ局はギャラも悪くないと聞く。後はオファーを待つばかりだ。
文:岡内義人
読売テレビ「す・またん」「かんさい情報ネットten.」「土曜はダメよ」、ABCラジオ「桑原征平粋も甘いも」などの番組構成を担当中。
※次回は9月26日号に掲載
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