30年前と比較
夏のラテ欄、今昔物語
番組資料として、30年前の新聞を見る機会があった。その8月のラジオ・テレビ欄で、ふと気づくことが。当時、心霊・超常現象系の番組がやたらと多かったことである。では、なぜ今は無いか、といえば厳しくなったコンプライアンスが理由だろう。うわさだが、幽霊の物音と言いながら、ある霊能力者は、こっそり小石を投げ、音を出していたらしい。また、人の過去を当てる超能力者が、事前に情報を聞いていた、なんて話も。SNS全盛の今、どこで漏れるか分からないので、怪しいことはできなくなっているのだ。他にも、30年前のラテ欄で目立つのは、アニメ。夏だと、朝も夕方も夜とやたらとアニメが多い。当時は、テレビが娯楽の中心だったのだろう。平均視聴率にもそれは表れ、上半期トップ50が全て20%を超えていた。一方で、変わらないものも。30年前の24時間テレビのパーソナリティーはダウンタウンだ。他にも、ラテ欄をにぎわせていたのは、たけし、さんま、鶴瓶と、今と変わらないトップタレントたち。30年間、芸能界のトップに居続ける。それが一番の超常現象かも知れない。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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