満月が、幻想的な“赤銅色”に
1月31日(水)は、「皆既月食」。2015年4月以来、3年ぶりに全国で観察できます。今回は条件が良く、見やすい時間帯に全過程が肉眼で見られるとか。星や宇宙に関するガイド・星空案内人(準案内人)の島彰吾さんに話を聞きました。
皆既月食とは、月が地球の影に隠れる現象。太陽、地球、月が一直線に並ぶときに起こります(図1参照)。月の一部が影に入ることを「部分食」、月全体が影に入り込むことを「皆既食」といいます。1月31日の午後8時48分から徐々に影に入り始め、10時半ごろには完全に地球の影に。「皆既食中の月は、真っ暗になり見えなくなってしまうわけではなく、赤銅色(しゃくどういろ)に見えるのが特徴です」。幻想的な赤銅色の満月は約1時間続き、左下から白っぽい明るさを取り戻していきます。肉眼で見ても、1時間で15度程度、月が西から東へと動く様子がよく分かります。
月食中は、普段月の明るさで見えにくい星も月と一緒に観察する絶好の機会。島さんは、「ただでさえ一等星が多い冬の夜空が、月食のおかげでさらに豪華になります」と話します。注目したいのが、「冬のダイヤモンド」と呼ばれる6つの星たち(図2参照)。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲルを結ぶと、ダイヤモンドのような形に。明るくよく目立つので、初心者にも見つけやすいでしょう。
また、非常に寒くなるこの時期。観察するときは普段の防寒着にもう1枚プラスするなど、防寒対策を万全に。交通や足元など周囲に注意を払いながら安全に観察を。
「星は何十年、何百年と変わらず同じ場所にあり続けます。変化していく日常の中、星を眺めて、変わらないものがあると確認できるとほっとします。1つでもいいので、星座や星の名前を覚えてみてください。きっと人生が豊かになりますよ」と島さん。今回の月食や周辺の天体観測は肉眼でも十分楽しめますが、双眼鏡や望遠鏡を使うと、より奥深い世界をのぞくことができます。詳しく知ることができるイベントもあり(下記参照)。この機会に星空を眺めてみませんか。
月食が起こる時間帯 | |
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20:48 | 部分食の始まり |
21:51 | 皆既食の始まり |
22:30 | 食の最大 |
23:08 | 皆既食の終わり |
0:12 | 部分食の終わり |
和歌山大学観光学部観光学科・尾久土(おきゅうど)正己教授と、シンガーソングライター・宝子がコラボした、チャリティーワンナイトライブ。
日時 | 1月30日(火)午後6時半~8時半(6時開場) |
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会場 | デサフィナード(和歌山市紀三井寺) |
入場料 | 5000円(軽食・1ドリンク、チャリティー3000円含む) |
問い合わせ | わかやまNPOセンター 073(424)2223 |
●「赤い月と天の川の競演
皆既月食特別観望会+CAFÉ」
月食や周辺の天体、天の川を観察します。この日限りの「元祖皆既月食饅頭(まんじゅう)」やうどんの販売もあり。※時間内は随時入退出可能、雨天中止
日時 | 1月31日(水)午後7時半~11時半 |
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会場 | 紀美野町立みさと天文台(紀美野町松ケ峯) |
参加費 | 無料 |
問い合わせ | みさと天文台 073(498)0305 |
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